アジア

2026.09.17 10:30

追い詰められるプーチン露大統領、北朝鮮との関係強化を推進 中国は警戒

中国の首都北京で会談した同国の習近平国家主席(中央)、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(前列左)、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(前列右)。2025年9月3日撮影(Sergey Bobylev / RIA Novosti/Anadolu via Getty Images)

中国の首都北京で会談した同国の習近平国家主席(中央)、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(前列左)、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(前列右)。2025年9月3日撮影(Sergey Bobylev / RIA Novosti/Anadolu via Getty Images)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、自らが困難な状況にあることを認識している。同国はウクライナ侵攻に年間約2900億ドル(約45兆円)を費やしており、毎月3万人の兵士を失っている。戦況は停滞しているだけでなく、一部の地域ではロシア軍が後退さえしている。ロシア国民も戦争の代償を身近な形で実感し始めている。7月には、ウクライナ軍の無人機(ドローン)がロシア北西部サンクトペテルブルクの石油ターミナルや近隣の港を攻撃した。ロシアは昨年末、日本の消費税に当たる付加価値税を22%に引き上げると発表したほか、今年に入って以降、食品価格も18%急騰している。

プーチン大統領は、世界でも最も貧しい国の1つである北朝鮮の兵力に頼らざるを得ないほど、追い詰められている。韓国国防省の推計によると、北朝鮮は2024年10月以降、1万6000人以上の兵士をロシアに派遣し、1500万発以上の砲弾を供給している。北朝鮮はロシアに対し、KN23やKN24といったミサイルも提供している。ウクライナは、さらに最大5万人の北朝鮮兵士がロシアに派遣される可能性があると試算している。一方、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党総務部長はこれを「全く根拠のない話」として一蹴した。

こうしたロシアと北朝鮮の関係強化を、中国はどのように受け止めているのだろうか? 過去18カ月間で、ロシアと北朝鮮の間では閣僚級を含む23回の高官級会合が行われたのに対し、中国と北朝鮮の間ではわずか8回にとどまっている。

ロシアと北朝鮮の関係強化に警戒を強める中国

中国の最大の懸念は、ロシアと北朝鮮の結び付きが強まることで地域の不安定化が進み、自国の国際的な評判が損なわれることにある。中国の習近平国家主席はまた、プーチン大統領と金総書記の関係が深まることで、北朝鮮に対する自らの影響力が弱まることを懸念している。中国の政府関係者や専門家は、ロシアや北朝鮮との3カ国による本格的な軍事同盟には、中国側はほとんど関心がないと強調してきた。実際、中国は、ロシアと北朝鮮の関係強化が米国をはじめとする西側諸国への圧力を高めることを認識しつつも、自国の戦略目標を制約しかねない3カ国による同盟の構築には関心を示していない。

ロシアと北朝鮮は完全に利害に基づいた取引関係にある。ロシアが支援を必要とする場面で、北朝鮮は快く応じてきたが、この関係は必ずしも互恵的なものではない。北朝鮮は2014年、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合を承認した数少ない国の1つとなり、その見返りとしてロシアから経済的利益を得られることを期待していた。だが、それは実現しなかった。両国の貿易は極めて限定的で、2020年の貿易額はわずか4200万ドル(約66億円)にとどまり、北朝鮮はロシアにとって139番目の貿易相手国に過ぎなかった。

北朝鮮は現在、武器の輸出やロシアへの部隊派遣を通じて、77億~144億ドル(約1兆2000億~2兆2500億円)の収入を得ている。北朝鮮は、原子力潜水艦用の原子炉や防空システム、無人機技術といった機密技術のロシアからの移転によっても恩恵を受けている。さらに、ロシアの協力があれば、北朝鮮は人工知能(AI)を搭載した自律型のジェット推進式無人機を入手できる可能性もある。

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翻訳・編集=安藤清香

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