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2026.09.19 11:15

【特選記事】「怒鳴らない」新CEOの流儀:サティア・ナデラはマイクロソフトをどう変革するか?

サティア・ナデラ Photo: Stuart Isett / Polaris / Newscom

インドの母校を訪れたときのナデラ。青春時代はクリケットに打ち込んだと、自伝『Hit Refresh: マイクロソフト再興とテクノロジーの未来』でも語っている  Courtesy of Microsoft
インドの母校を訪れたときのナデラ。青春時代はクリケットに打ち込んだと、自伝『Hit Refresh: マイクロソフト再興とテクノロジーの未来』でも語っている Courtesy of Microsoft

マイクロソフトの次の一手を判断するため、ナデラはレドモンドという閉ざされた殻から外へ出る必要があると考えた。当時サンフランシスコの小さなスタートアップだったOkta(オクタ)の共同創業者兼CEO、トッド・マッキノンは、数年前にジーンズ姿で現れたナデラの姿を記憶している。ナデラはOktaがクラウドをどう利用しているのかを確かめに来ていた。マッキノンは言った。

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「私たちはアジュールを使っていません。AWSを使っています」

ナデラは肩をすくめた。営業目的の訪問ではなく、実態調査と情報収集を兼ねた行動だったからだ。1時間の訪問が終わる頃、ナデラはOktaのようなスタートアップがクラウドに何を求めているのかについて、詳細な構図を描き出していた。その後の数カ月間で、彼は同様の環境にあるスタートアップを少なくとも7社訪問した。

このような対話に触発されたナデラは、アジュール上でリナックスを特別かつ低廉な価格で提供する決断を下した。顧客満足度を維持するため、ウィンドウズのライセンス料をあきらめる選択をしたのである。この決定は、マイクロソフトの従来の画一的な事業手法と大きく食い違っていたため、後に「ハーバード・ビジネス・レビュー」のケーススタディの題材となった。シナジー・リサーチ・グループによると、現在アジュールは主要5大クラウド基盤サービスのなかで最も急成長しており、過去1年間の売上高の伸び率は推計154%に達している。

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こうした柔軟性は、ナデラがCEO就任直後に見せた初期の決断にも発揮された。マイクロソフトは3月、ついにアップルのiPad向けにオフィスを提供すると発表した。ナデラは、ワード、エクセル、パワーポイントの閲覧専用バージョンを無償提供すると明かした。文書を新規作成したいユーザーは、ウェブ版の「Office 365」を年間99ドルで契約できる仕組みとした。マイクロソフトは長年にわたり、iPad向けオフィスの投入を何らかの形で準備していた。しかしナデラ以前の時代であれば、これほど積極的な展開にはならなかったはずだ。無料体験機能と、より大きな戦略的メッセージを同時に打ち出すことは困難だっただろう。ナデラはこう宣言した。

「私たちの責務は、Office 365をあらゆる場所へ確実に届けることです。それはウェブ全体、すべてのスマートフォン、すべてのタブレットを意味します」

この言葉の意味をじっくり考えてみてほしい。新リーダーは、マイクロソフトにとって最大の看板ソフトウェアであるオフィスを、ウィンドウズだけにしばり付けておくには重要すぎる存在だと宣言したのである。

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