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2026.09.18 10:30

AI開発の減速は「安全対策か競争戦略か」、アンソロピックの提案を読み解く

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アンソロピックのダリオ・アモデイCEOは、最先端AIの開発速度を業界全体で落とし、外部評価や共通安全基準を導入するよう求めている。提案はAIリスクへの対応を目的とするが、競合各社が足並みをそろえて開発速度を抑えれば、資金力のある先行企業の優位や高い企業価値を守る効果も生じる。

アモデイが示したAI開発減速の3段階

アンソロピック(Anthropic)の最高経営責任者(CEO)ダリオ・アモデイは2026年9月12日、最も高度なAIモデルを開発する少数企業に、足並みをそろえて開発ペースを落とすよう求める論考を発表した。安全対策だけでなく、各社がどの程度の速さで開発を進めるかについても協調を求め、一部の協議には米政府による反トラスト法の限定的な適用除外が必要になると記した。

OpenAIのサム・アルトマンとイーロン・マスクはいずれも提案を支持した。アルトマンは「最先端開発のペースを調整する必要があるというダリオの意見に賛成する」と書き、マスクはアモデイの投稿に「ダリオは正しい」と返信した。

アモデイは「AIモデルの能力を向上させるペースを落とさなければならない」と主張する。複数のAIエージェントが連携して動く集団は、6~12カ月以内に「インターネット全体を乗っ取れる」ほどの能力を持つ可能性があると警告した。提案する減速策は次の3段階だ。

第1段階:外部の安全評価担当者が各AI企業の内部で評価できるよう、従業員に近いアクセス権を与える。アンソロピックは「社内の机、入館証、社用ノートパソコン」を提供すると約束しており、アルトマンもOpenAIが同様のアクセスを認めるとしている

第2段階:民主主義国の主要AI企業が共通の安全基準を定め、「安全確認を伴わないAI能力向上」の速度に上限を設ける

第3段階:米国と同盟国が、AIの安全対策や開発ペースをめぐる限定的な国際合意を目指す。中国も合意の相手に含まれる可能性がある

アモデイによれば、開発ペースの調整は「モデル訓練や技術進歩の停止を意味しない」。米国で最先端AIを開発する全企業を対象とした規制を望みつつ、法整備を待たずに企業同士が自主的に協調することも求めている。

競合間の速度調整には反トラスト法の適用除外が必要

第2段階には反トラスト法上の問題がある。競合企業が自社製品を改良する速度を共同で制限する合意は、本来なら反トラスト法が阻止する対象となる取り決めだからだ。

アモデイも、一部の協調は「法的に難しい」と認めている。「反トラスト法上の理由から」、特定の安全協議に限って米政府が「範囲を絞った適用除外を認める必要がある」と記した。

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