10年間の総株主リターンは、過去の実績と将来への期待の両方を組み合わせた公の事実である。これを経営上の実証データと併せて用いることで、有用な指標となる。これを報酬プランの最大化の指標として用いる場合、市場が現在のロードマップを有効と見なしているかどうかが明らかになる。もし有効でなければ、経営陣の刷新、企業の分割、あるいは買収の要求といった形で制裁が下る。もし有効であれば、企業は支持とより多くのリソースを獲得することになる。
第四に、アドバイザリー業界は、クライアントの見解が常識から逸脱している場合でも、沈黙を守ることが多いためである。大げさな主張に対してデータの裏付けが希薄であるということだ。Bain & Companyが「価値重視の経営を取り戻す」と提唱した際には、株主価値最大化の事例としてコストコが引き合いに出されることさえあった。しかし、コストコをその議論の事例とするのは無理がある。コストコが公に掲げる一貫した論理は、常に顧客価値と従業員価値を最優先し、株主リターンはその結果として付いてくるものだからである。
注目すべき点
本質が表れるのは、言葉ではなく、プレッシャーに直面したときの行動である。四半期業績が低迷しているとき、保護されるのはどちらか。複数年にわたるイノベーションか、それとも四半期利益か。手元資金が豊富なとき、それは次の能力の構築に投資されるのか、それとも3年という期限付きの残余利益の回収に回されるのか。もしCEOの最大の目標が3年間の相対的な総株主リターンであるならば、それは株主価値そのものを追求している姿に他ならない。企業を動かす数字が、売上高、マージン、EPSといった内向きのものだけになっているのであれば、顧客を見るための窓は、すでに自分たちを映す鏡に変わってしまっている。
これらはすべて、新薬開発のような厳密なランダム化比較試験を要するものではない。必要なのは、成功を顧客と経済の観点から定義すること、比較対象となるグループを示すこと、そして自説に都合の良い開始日を選ぶのではなく、1つの景気サイクル全体を示すことだ。
コストコとIBMは、その基準を満たす好例である。ダウ平均やSTOXX指数は、それをさらに広範に実証している。読者は分類の細部について議論することはあっても、分類そのものが存在しないことに対して異議を唱える必要はないはずだ。


