経営・戦略

2026.09.20 09:00

「顧客価値」重視のコストコ、「株主価値」重視のIBM その明暗

Jammer Gene - stock.adobe.com

2010年代、売上高は20四半期(5年間)以上連続で減少した。ハードウェア事業は売却された。負債がスコアボードを健全に見せるのに役立った。IBMがかつて手がけていた仕事は、アマゾンやマイクロソフト、グーグル親会社のアルファベットに奪われた。340億ドル(約5兆2800億円)でのRed Hat買収は、顧客がすでに他社へ流れた後の施策だ。現在も、IBMの長期リターンはS&P500を大きく下回ったままだ。

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コストコは、目に見える製品での短期的損失を受け入れ、コスト構造を修正した。IBMは、事業基盤が痩せ細る間、決算資料を良く見せるためにバランスシートを利用した。同じ言葉だが、順序は逆である。

指数が示すもの

筆者は以前、経営に関する文書にデータが不足しているわけではないことを示した。不足しているのは、そのアイデアが本当に重要な場面で機能するかを示すデータだ。具体的には、十分な企業規模を持ち、景気循環の全期間を通じて平均以上の業績を上げる企業での検証が求められる。業績に関するあらゆる主張には、このテストが適用されるべきだ。

コストコとIBMは事例であって、証明ではない。議論をさらに進めるには、比較対象となる企業群が必要だ。現在の「ダウ工業株30種平均(NYダウ)」を構成する銘柄と「STOXX欧州50指数(STOXX Europe 50)」を構成する銘柄を、プレッシャーがかかった状況で顧客価値と四半期利益のどちらを優先するかで分類すると、大ざっぱではあるが、明確な違いが浮かび上がる。

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およそ3分の1の企業は、コストコの優先順位に近い形で運営されている。残りの約3分の2は、IBMに近い運営を行っている。顧客優先の企業グループはおしなべて、10年間の総株主リターン(TSR)が著しく高かった。この分類には主観的な判断も伴う。この関連性は傾向を示すものであり、科学的な証明ではない(そもそも科学的証明など不可能なことだ)。しかし、2つの主要指数において一貫した傾向が見られるという事実がある以上、このパターンを単なる偶然として片付けるのは難しい。

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