投資も人生も長い旅路
これまでのキャリアの中で数多くの就職面接を経験し、様々な質問をされてきました。その中でも印象に残っている質問が、「あなたが他の99%の人よりも優れている点は何ですか」というものです。私はこの質問が好きなのですが、それは単に「あなたの強みは何ですか」と聞くのとは違うからです。
この質問はまさにGyoseki大会のテーマと重なります。他人とは違う、本当に自分を差別化することは何かを深く考えさせられます。必ずしも「優れている」ということではなく、「自分ならでは」の何かということです。
オリンピック選手でもない限り、多くの人が思い浮かべる「強み」というのは、「足が速い」とか「頭がいい」といったものになりがちです。しかし実際には、自分を差別化する最良の方法は、他の人があまりもっていない特定のスキルについて考えることだと思います。
例えば、私は地図を読むことや特殊なロープの結び方が得意なのですが、ボーイスカウトで学んだこれらの技術は、私の知る限り99%の人ができません。これはAIの時代において非常に重要な視点だと思います。
なぜなら、論理的に考えれば、AIはほとんどの場合人間より賢いですし、多くのことにおいて人間より速いからです。しかし、AIがやらないような、小さすぎたり些細すぎたりすることの中にも、依然として役に立つものがあり、それは今でも非常に重要だと思います。
──最後にこれからGyoseki大会に挑む学生たちへメッセージをお願いします。
挫折や失敗をしても落ち込まないでほしい。人生も投資も、非常に長い旅路だからです。優れた投資家たちも皆、過去には非常に大きな挫折を経験してきました。
例えば、AI特化型のヘッジファンド「シチュエーショナル・アウェアネス」を設立したレオポルド・アッシェンブレナーや、同じくヘッジファンドの「パーシング・スクエア」を率いるビル・アックマンなどです。
多くの投資家は挫折を経験していますが、大切なのは自分のプロセスに忠実であり続け、そこから立ち直ることです。そして、この2人に共通しているのは情熱と好奇心です。これらは長い目で見たときに、自分を他者と差別化してくれるものだと思っています。

ケビン・チャング◎ゆうちょアセットマネジメント バイアウト投資部 ヴァイスプレジデント。米国カリフォルニア州出身。2016年に南カリフォルニア大学卒業後、JPモルガンでM&Aアドバイザリー業務に従事。その後、ペルミラ、Monk's Hill Venturesでの投資業務を経て、早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得。現在はゆうちょアセットマネジメントで国内外企業へのPE投資業務を担当する。


