コミュニケーションこそ人間の強み
──これまで様々な金融機関で働かれてきたと思いますが、なぜ日本のゆうちょアセットマネジメントで働きたいと思われたのですか。
理由はたくさんあります。ひとつは、日本の投資機会は今でも非常にユニークで興味深いと考え続けていることです。また、以前から日本に住みたいという思いが強くありました。
ゆうちょ銀行のプラットフォームも非常に興味深いと感じています。というのも、規模が非常に大きく、素晴らしいグローバルな投資機会に数多くアクセスできるからです。これは日本企業でありながら、グローバルにつながった投資家であり続けるためのひとつの方法なのです。
──現在の仕事に対するモチベーションややりがいは何ですか。
現在はバイアウト投資部でヴァイスプレジデントを務めていて、世界中の有力な投資家と提携しながら、様々なセクターの企業に共同投資を行っています。
モチベーションはやはり情熱と好奇心に尽きます。新しい投資や新しいセクター、新しい地域……。どの国でも特定のセクターについて学べることを、私はとても興味深いと感じています。また、米国での仕事で培った知見をこちらのチームと共有できる機会があることも、もうひとつの大きなモチベーションです。
──生成AIが分析やレポート作成まで担うようになった今、人間にしかできないことは何だと思いますか。
ふたつあると思います。ひとつはデータへのアクセスです。今のAIモデルは推論やロジックに非常に優れていますが、多くのデータが有料の壁の向こうにあったり、簡単には見つけられなかったりする状況が、ますます顕著になってきています。
例えば医療分野では、プライバシーや機密性の観点から、AIモデルへの提供が制限される医療データも存在します。ですから、モデルの方がロジックに優れていたとしても、データという大きな要素によって、人間の方が優位に立てる部分がまだ残っています。
ふたつ目は、人間相手にコミュニケーションを取り、説得するというまさに人間的な側面です。AIはまだそれができるとは言えません。AIが人間を、他の人間と同じように説得できるようになるかどうかは分かりません。そうした力は、より多くの情報や洞察への扉を開くことにもつながります。人と人とのつながりという側面は、今でも非常に重要だと思います。


