生徒数3万人を超える全国最大の通信制高校、N高グループ。政治部など尖った部活動で有名な同校のなかでも、入部希望者が殺到しているのが「投資部」(ネット部活)だ。特別顧問を務めるのは、“村上ファンド”創始者で、物言う株主として著名な村上世彰氏。部員たちは、村上財団と学校側から提供された20万円を元手にして、実際に株式投資をおこなうという、超実践的な金融教育である。
なかでも目玉となるのは、20万円からさらなる増額を村上顧問にお願いする「増額面談」だ。シンガポール在住の村上氏とのオンライン1on1面談で、高校生たちはガチガチに緊張しながらも、村上氏への率直すぎる質問を投げかけ、投資家もまっすぐに応える──。
このたび、この面談のやりとりをForbes JAPANにて初公開。今回は過去の面談から、投資の本質を突く言葉とともに、N高グループ投資部のエッセンスをお届けする。
投資の初心者にも、我が子の金融教育に悩む世代にも、響く言葉がきっとある。
分散投資? まずお金持ちになりなさい
N高グループ投資部では、投資手法は自由。『会社四季報』編集長や投資インフルエンサーによる講座も開かれるが、自主ゼミとして、部員たちで企業訪問をしたり、IR部門に電話インタビューをする生徒もいるという。
ただ、所属部員の活動期間は1年間に限定されているので、長期投資だと結果が出にくい。また、デイトレードは推奨していないという。
「投資部では、『なぜその銘柄を買うのか』『今後の値動きの予測』『結果はどうだったか』など理由と分析のレポートが必要なので、デイトレードは向いていないのです」(N高グループ投資部担当者 野田加奈子さん)
村上顧問との面談では、投資手法について具体的な質問が出ることもある。
ある部員は、自身の投資計画について「今後はポートフォリオに金などのコモディティも組み入れて、分散投資をしたい」と述べた。すると即座に、村上氏に喝破された。
「まずお金持ちになりなさい。大したお金もないのに、分散なんかないよ。そんなのは1億持ってから考えなさい!」
投資は複雑に考えないほうがいい、というのが村上氏の教えだ。
2025年12月に実施された面談では、こんなやりとりも。
Aさん:村上さんが個人投資家だったら、1000万円を、米国と国内、何銘柄くらいに分散しますか?
村上氏:僕の性格だと国内1本だね!
Aさん:国内1本ですか⁉︎
村上氏:1000万でも1本。基本は勝ちたいから、海外より自分がよくわかってる国内にする。要は、どう分散するかじゃなくて、そのお金をどうしたいのか。そういう思考を持たないと。
村上氏の答えは常にシンプルだ。
「投資スタイルや手法ありきではなく、どう儲けるかを考え抜け」
そして「失敗して学べ」というメッセージだ。



