食&酒

2026.10.03 14:15

増える「郷土料理」コンテスト 美食を地域の活力に

フランス・リモージュで開催された「シューファルシ」の世界選手権の様子

フランス・リモージュで開催された「シューファルシ」の世界選手権の様子

フランス料理の巨匠フェルナン・ポアンはかつて「若者よ、故郷へ帰りなさい。そしてその土地の市場へ行き、その土地の人々のために料理をつくりなさい」という名言を残した。郷土に根ざした食の大切さは、フランス料理を語る上で欠かせない要素だ。

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そんなフランスで、地域活性化に食の力を活用するという動きが近年さらに活発化している。

地元の老舗企業が火付け役に

その一例が、今年2月、フランス・リモージュで開催された第二回となる郷土料理「シューファルシ」の世界選手権だ。

シューファルシは、そのまま日本語に訳すと「キャベツ包み」。「冷蔵庫の余り物をなんでも刻んでキャベツで包んで煮た」料理だ。日本でいうロールキャベツに近いといえる。しかし、今回登場したシューファルシは家庭では真似のできないとても構築的なものだった。

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コンテストで作られたシューファルシ。美しいプレゼンテーション、断面にもシェフたちのこだわりが感じられる。
コンテストで作られたシューファルシ。美しいプレゼンテーション、断面にもシェフたちのこだわりが感じられる。

審査委員長を務めたのは、フランスで大人気の料理番組「トップシェフ」の審査員として知られるフィリップ・エチュベストシェフ。彼によると「シューファルシは、元々レストランの料理ではなく、シャルキュトリ職人が残り物をキャベツに詰めたことに始まるお惣菜的な立ち位置だった。2022年にフランスでコンテストが始まったのがきっかけでそれがブルジョワの料理になっていった」のだという。

今回は、日本を代表して東京の「ルグドゥノム ブション リヨネ」の佐合夏海葵シェフほか、フランス、カナダ、イギリス、中国、韓国、インドネシアと、世界7カ国から7人のシェフが参加した。

審査員にはピエール・エルメシェフ、MOF受章者でもある「ガストロノミー “ジョエル・ロブション”」関谷健一朗エグゼクティブシェフ、元「ロオジエ」のブルーノ・メナールシェフらが集結。初代の優勝者でもあるシンガポール代表「ルイーズ」のバーナデット・デ・ロザリオシェフも加わり、筆者もメディア審査員を務めた。

「ルグドゥノム ブション リヨネ」のクリストファー・ポコシェフと、佐合夏海葵シェフ
「ルグドゥノム ブション リヨネ」のクリストファー・ポコシェフと、佐合夏海葵シェフ

イベントの立役者は、リモージュに拠点を置く1863年創立の老舗食器メーカー、ベルナルド。世界のミシュラン三つ星店をはじめ、多くのファインダイニングで愛されているブランドだ。そもそもリモージュは18世紀から続く有名な陶磁器の産地で、最盛期は100以上のメーカーがひしめいていたが、近年安い海外メーカーに押されぎみだ。そんななか、陶器の街・リモージュを再度盛り上げたいとスタートしたのが、この選手権だ。

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