日常生活にもAIが普及して、買い物や旅行の計画などにAIを利用する人が増えている。しかし、AIを使うと自分で物事を考えなくなり、思考能力が低下するといった心配をする人もいる。AIの利用は、はたして人を幸福にするのか不幸にするのか。その答は使い方にあった。

NECグループは、15〜74歳の全国の男女2057人を対象に、「AIとウェルビーイングに関する生活調査」を実施した。それによると、AIを利用するようになって幸福感が向上したと回答した人は18.2%、反対に低下したという人は6.0%だった。変わらないと答えた人が75.7%と大多数だが、幸福感が低下した人が意外に少ないことがわかった。

調査では、幸福感を6つの項目に分けて、それぞれについてどう感じるかを尋ねた。上のグラフでは、否定的に感じるか(左側)、肯定的に感じるか(右側)が比較されているが、以下のような差が現れた。
思考の自由度:AIに行動を方向付けられて不自由さを感じる人、AIにより選択肢が増えて自由度が上がる人の比較。後者が圧倒的に多かった。
思考の自律性:AIに主導権を取られると感じる人、自分のペースで主体的に考えられると感じる人の比較。これも後者が多かった。
考えることの楽しさ:AIが答えを出してくれるので自分で考える楽しさが減った人、AIと考えることで楽しさが増えた人の比較。ここでは後者がやや多い結果だった。
知識・スキルの変化:自分の知識やスキルが衰えていると感じる人、自分の知識やスキルがAI利用によって伸びたと感じる人の比較。これも後者がわずかに前者を上回った。
対面欲求:AIとのやり取りで用件が済んでしまうので人と会って話したい気持ちが薄くなる人、人に会って話したくなるという人の比較。これは前者がやや多かった。
やり遂げた達成感:達成感が減った人、高まった人の比較。こちらは減った人が大幅に多く、16ポイント以上の差となった。

NECはAIユーザーを、AIと対話しながら問題を考え、最後には自分で判断したい「プロセス重視派」と、AIに丸投げして結論を出してもらいたい「結果重視派」とに分けている。比率ではプロセス重視派がやや多い。6項目の幸福感の比較では、「考えることの楽しさ」にそれの対比がよく現れている。AIに答えを出してもらうか、自分も考えるかで、否定と肯定、つまり不幸と幸福の差が生まれているように思われる。
事実、AIの使い方で「幸せになった」か「不幸になったか」を聞くと、プロセス重視派のAIと対話や協働を行う層(対話型)は「幸せになった」人のスコアが高く、それ以外の使い方をする人の「幸せになった」スコアとは7倍もの差がついた。



