中央アジア諸国はロシアが主導する軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」に加盟しながらも、中国との防衛関係も深めてきた。では、これらの国々はなぜ中国に接近しているのだろうか?
米誌ナショナルインタレストが8月に掲載した記事によると、その理由の1つは、西側諸国がロシアに科した制裁にある。こうした制裁の一部は同国の防衛産業を対象としており、外国企業がロシアと取引を行うことを思いとどまらせる一因となっている。中央アジア諸国には対ロシア制裁の適用除外措置は認められていない。また、ロシア製の装備品には西側で製造される部品が含まれているものもあるが、制裁により、同国ではこうした部品の調達が困難になっている。
その結果、中央アジア諸国は防衛装備品や車両の一部について、代替供給元としての中国に目を向けるようになった。中国は制裁を科されていないため、中央アジア諸国は法的責任を懸念することなく、防衛装備品を調達することができるからだ。
中央アジア諸国の政府高官はロシアとの関係を維持しつつも、米国、英国、欧州連合(EU)の代表者と会談し、貿易、エネルギー、防衛分野での連携について協議してきた。こうした取り組みは市場の多角化を目的としている。米国、英国、EUは中央アジア諸国に対し、数千万ドル規模の支援を提供してきた。支援の大半は経済発展に向けられている。
他方で、ロシアも中央アジア諸国との関係維持に努めてきた。ロシア政府はCSTOの高官級会合や公式訪問といった場を通じて、中央アジア諸国の代表と頻繁に会談を重ねている。ウクライナ侵攻の裏側で、ロシアは中央アジアとの経済的結び付きも強化している。
こうした中、中央アジアの防衛市場で存在感を増す中国に対し、警戒感を抱く専門家もいる。同国と中央アジアの関係が今後どのように展開していくのか、またこの動きが中央アジアに対するロシアの従来の支配力を揺るがすことになるのか、その行方が注目される。


