ビル・ゲイツは、AIが世界の不平等を悪化させないよう対策を講じるべきだと世界の指導者らに訴えた。テクノロジー業界のリーダーらからAIの安全性に関する警告が広がるなか、彼が率いるゲイツ財団は米国時間9月15日に年次報告書「ゴールキーパーズ・レポート」を発表し、AI技術へのアクセス拡大に向けて10億ドル(約1550億円)の拠出を確約した。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)の進捗状況を追跡する同報告書に添えられた声明の中で、ゲイツは、AIは「偉大な平等をもたらす存在にも、あるいは格差を広げる存在にもなり得る」と記した。
マイクロソフトの共同創業者であるゲイツは、自身がこれまで「パーソナルコンピューターの革命」を生き抜いてきたと述べつつも、AIをめぐる現在の状況はそのどれとも異なると語った。「(AIは)これまでに例がないほど速く進歩し、より多くの人々に浸透している」
ゲイツは、もしすべてを市場に委ねてしまえば、「AIは世界で最も裕福な人々によって、富裕層自身のため設計されることになる」と警告した。
さらに彼は、「今後12カ月から18カ月」の間に下されるAIに関する決断により、この技術が「すでに最も多くを持つ人々に恩恵をもたらすのか、それとも最も持たざる人々に届くのか」を決定づけることになると主張した。
ゲイツは、AIは社会の利益のために役立てることができると付け加えたが、それは「偶然に起こるわけではない」と指摘している。
ゲイツ財団は、「AIやそれを活用したソリューションへのアクセスを拡大」するために、今後2年間で少なくとも10億ドルを投じる計画だと発表した。声明によると、資金の40%は「AIによる個人指導を含む」教育分野を支援し、別の40%は医療診断、臨床における意思決定、新薬やワクチンの開発といった医療分野での活用を支援するという。また、農業分野には資金の10%を割り当てて小規模農家をAIで支援し、残りの10%は「公平なAIのためのデジタル基盤」の構築に充てられる。



