働き方

2026.09.16 02:46

2030年代を勝ち抜く組織の条件 ハイパフォーマンスチームの構築法

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10年以上前、スタンリー・マクリスタル退役陸軍大将は、複雑な世界で繁栄を目指す組織のための新たなフレームワークを提唱した。彼はそれを「チーム・オブ・チームズ(Team of Teams)」と呼んだ。2030年代の「仕事の未来」にビジネスをどのように適応させるかを思い描くとき、ひとつのアプローチは、将来の成功が組織内に強力でハイパフォーマンスなチームを構築し、維持する能力にかかっていると認識することだ。

現在の人口動態の変化は、2030年代以降の企業において、「従来の定年」を過ぎても生産的に働き続けたいと望む高年齢層の労働者の割合が増える一方で、労働市場に参入する若年層が減少することを示している。人間とデジタル労働(すなわちAIや自動化)に依存する、絶え間なく変化する世界で成功し、競争力を維持するために、企業は強力な多文化・多世代の協働チームを必要としている。

その未来に向けた計画を始めるべきなのは、今だ。企業やスポーツチームでの経験から、個々のスーパースターを集めた名簿を作っても勝利は保証されないことが分かっている。優れたパフォーマンスを発揮する個人の集まりが、効果的なコミュニケーションと調整を通じて互いの強みを結合させた、それほど有名ではないメンバーからなるチームに敗れることは、何度となく繰り返されている。

優れたチームは、ハイパフォーマンスな集団としてのチームを鍛え上げることで構築される。これは、グーグルの研究プロジェクト「プロジェクト・アリストテレス」や、集団的知性因子がグループの個々のメンバーの知能とは強い相関関係にないことを明らかにしたウーリーらによる研究によって実証されている。スポーツ界においては、2003年のワールドシリーズで、総年俸がはるかに低かったフロリダ・マーリンズが、スター揃いのニューヨーク・ヤンキースを破ったことにも表れている。

「コラボレーション」を機能させる

ジェイミー・シャピロ博士は、「コラボレーションとは、2人以上の人々が共通の目標に向かって協力し、それぞれの専門知識、リソース、努力を共有し合う協働プロセスである」と指摘している。それは単に同じグループで働くことではない。個人では達成できない高水準の成果を達成するための「相互依存」を伴うものである。それには、チームと組織の両方のレベルにおいて、焦点、意図、そして努力が必要となる。

その結論は、リンダ・グラットンとタマラ・J・エリクソンによるハーバード・ビジネス・レビューの調査報告「コラボレーション・チームを構築する8つの方法(Eight Ways to Build Collaborative Teams)」に基づいている。この調査では、多国籍企業15社における55の大規模チームの部門間コラボレーションを分析し、チームがいかにして協働に対する本質的な障壁を克服できるかを調査した。その結果、チームが「チームのサポート」「説明責任」「卓越性」という3つの重要な要素に集中したとき、「知識の共有、継続的な学習、俊敏性の向上、より大きなイノベーション、そして複雑なビジネス目標のより効果的な達成」が促進されることが明らかになった。

「チームのサポート」とは、メンバーが自らの役割を超えて、情報共有、精神的サポート、タスクサポートを提供し、同僚の成功を自発的かつ一貫して支援することを指す。最も有益なのは、他者の強みを理解することであり、これによって互いに頼り合うことが可能になる。

「説明責任」とは、期待されるパフォーマンスについて、公平かつ一貫した方法で互いに責任を追及し合うことを意味する。これは、当事者意識(オーナーシップ)、責任を果たすこと、改善のための継続的な学習、そして対人関係の上に成り立つ。これは未来志向のものだ。対照的に、非難は後ろ向きであり、過失に焦点を当て、学習を阻害する傾向がある。

「卓越性」は、ハイパフォーマンスを促進する基準を設定する。それは平凡さを拒絶し、学習を刺激するものだ。チームは、プロセスと成果における卓越性を促す儀式、規範、行動を伴う文化を作り出すことができる。重要なのは、人々に完璧を求めるのではなく、卓越性を目指すよう促すことである。ワークチームにおける心理的安全性と学習行動に関するエイミー・エドモンソンの研究によれば、卓越性は成功と失敗から学ぶことによって達成される。これらが合わさることで、より大きな努力を引き出し、より高いパフォーマンスを生み出す強力な導き手となる。包括的な表彰・認知プログラムを導入している組織に関するO.C.タナー(O.C. Tanner)の調査が示しているように、こうしたプログラムはパフォーマンスの重要な倍増因子となる。

システムとしての課題

今日の職場は、AIや自動化から、人口動態の変化、従業員の期待の変化、新たなビジネスモデル、ハイブリッドワーク、そして加速する技術変化に至るまで、無数の要因によって再構築されつつある。

リーダーシップ開発や従業員のエンゲージメントから、知識の継承、組織設計、人材計画に至るまで、仕事の未来に関するほぼすべての課題が、これらの変化の波に起因している。

多くの組織は、それぞれのトレンドを個別の取り組みとして処理することで対応している。人事部門はタレント戦略を策定し、IT部門はAIツールを導入し、業務部門はプロセスを再設計し、育成・研修部門は新たなトレーニングプログラムを作成する。各部門はそれぞれの領域内で熱心に取り組んでいる。問題は、これらの取り組みが連携して機能するように設計されるのではなく、個別に最適化されることが多い点にある。

個々の部分を最適化しても、全体が最適化されることはめったにないことが、研究によって一貫して示されている。スーパースターばかりのスポーツチームが、連携の取れたチームに敗れることがあるのと同様に、組織はハイパフォーマンスな部門を作るだけでは「未来への備え」を整えることはできない。すべての機能が同じ戦略的目標に向かって機能する、ハイパフォーマンスな組織を構築することによって初めて、未来への備えが整うのだ。

AIに関するマッキンゼーの研究は、この原則をよく説明している。部門ごとに孤立した形でAIを導入する組織は、有意義な企業価値を生み出すのに苦労することが多い。最大の成果が得られるのは、リーダーシップ、ガバナンス、再設計されたワークフロー、そして組織全体を整合させる戦略を伴う、企業全体の変革の一環としてAIが導入されたときである。

労働者の総合的な力を活用する

AIには2つの側面がある。機械はAIの自動化の側面であり、これをMAIと呼ぼう。MAIが自動化やリサーチ、それらに関連するタスクを「より速く、より良く」実行する一方で、労働者は人間に固有の能力、特にハイパフォーマンスチームに参加する能力を向上させることに集中できる。AIというコインのもう一方の側面であるこれを、拡張知能(HAI)と呼ぼう。こうした人間特有のスキルには、好奇心、創造性、批判的思考(クリティカル・シンキング)、コミュニケーション、そしてコラボレーションが含まれる。

現在MAIに費やしているのと同等のエネルギーと時間をHAIの進歩に投資すれば、AIの両側面が相乗効果を発揮し、私たち全員に新たな時代をもたらすことが期待できる。

影響のスピードや質の面において、組織内で断片的にMAIを導入することは、戦略的に企業全体でMAIを導入することに比べて効果が低いことが分かっている。同様に、労働者によるHAIの包括的な取り入れは、より優れた成果を生み出すハイパフォーマンスチームの構築につながると期待される。

2030年代以降に企業を繁栄させたいと願うリーダーにとって、AIというコインの両面を解き放つための複数年にわたる変革の計画を始めるべきなのは、今である。自社の仕事の未来を再考することだ。時間とエネルギーを最大化するために「相乗的な整合性」を意識しよう。業務、営業、マーケティングなどが、顧客や投資家に対して効率的かつ効果的なサービスを提供するために必要なMAI支援システムを開発する。同時に、労働者とリーダーの能力を引き出すHAI支援システムを開発し、強力で権限を与えられたハイパフォーマンスチームを構築するのだ。

その両面コインを握っているのはあなただ。人材とシステムに投資し、その恩恵を享受しよう。あなたはこの挑戦に応じる覚悟があるだろうか。

forbes.com 原文

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