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2026.09.16 02:11

AIはコミュニケーションを効率化するが、リーダーシップを弱めてはいないか

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ギャラップの最新調査によれば、職場での個人によるAI活用はこの1年で着実に増加している。米国の労働者の半数以上(52%)がすでに業務でAIを利用しており、そのうち30%が頻繁に、15%が毎日使用している。

生成AIは、ほんの数年前には想像もできなかったコミュニケーション能力を、プロフェッショナルやリーダーにもたらしている。数秒で、ざっくりとしたアイデアを洗練されたメール、プレゼン資料、記事、要点、戦略的メッセージへと変換できる。トーンを調整し、複雑な概念を簡潔にし、想定質問を予測し、対象ごとにメッセージを最適化することも可能だ。

しかし、AI時代のコミュニケーションについてプロフェッショナルやリーダーをコーチングし、トレーニングするなかで、導入の先にあるもう1つの重要な問いが浮かび上がってきた。AIがコミュニケーションを容易にする一方で、その使い方によっては、私たちをより効果の低い、そして弱いリーダーにしてしまう可能性があるのだろうか。

その答えは「イエス」となり得る。新たな研究がその理由を明らかにし始めている。世界経済フォーラムは、『International Journal of Business Communication』誌に掲載された研究を紹介している。この研究では、職場での文書作成におけるAI利用の受け止め方が検証された。上司が日常的なコミュニケーションで多くAIを使うと、受け手側はその送り手の自信、誠実さ、能力に疑念を抱くようになったという。同記事はこの現象を「信頼性ギャップ」と呼んでいる。

この問題は、優れたリーダーシップの視点やコミュニケーションに欠かせない「人間の仕事」の一部をAIに委ねてしまうときに生じ得る。コミュニケーションとは単なる言葉の生産ではない。リーダーにとって、それは自分の思考、判断、価値観、勇気、共感、戦略的方向性を他者に伝える主要な手段のひとつなのだ。それらの能力は、洗練された言葉で表現されるだけでなく、絶えず鍛え、強化されなければならない。

コミュニケーションの背後にある、見えにくいリーダーシップの仕事

リーダーが重要なメッセージやデータを伝える前に、何をしなければならないかを考えてみよう。判断すべきことは次の通りだ。

- 自分が実際に何を信じているのか
- 自分と聞き手にとって何が最も重要なのか
- チームが自分に何を必要としているのか
- 自分が何を引き受け、責任を持つ覚悟があるのか
- 人々が不安や混乱を感じていながら、口にしていないことは何か
- そして、率直かつオープンに伝えながら、同時に他者ができる限りの自信と明確さをもって前に進めるよう、どう支援するのか

これらの問いには、思考の高度さ、内省、識別力、内面の落ち着き、心の知能指数、そして優れた判断力が必要である。

AIはこうした問いを探るのを確かに助けてくれる。しかし、自分自身での深い思考を行う前に、まず「何を言うべきか」とAIに尋ねてしまえば、私たちは単なる文書作成だけでなく、リーダーシップの仕事の一部を外部委託してしまう可能性がある。

マッキンゼーは、AI時代に活躍するリーダーは、デジタルの流暢さと人間としての深みを併せ持ち、AIを「自分の代わりに考えさせるのではなく、共に考える相手」として使いこなす必要があると論じている。これはリーダーシップ・コミュニケーションにおいても極めて重要な区別だ。

あなたの「声」は、文章のスタイル以上のものだ

AIを使いながら自分の「声」を保つことについて語るとき、多くの人は語彙の選び方、文の長さ、温かみ、ユーモア、形式ばり方といった文体上の特徴を意味している。だが、プロフェッショナルとして、またリーダーとしての声は、それよりはるかに広いものだ。

あなたの声には、あなたの物の見方も表れる。他人が見落とすものに気づく力、あなた独自の経験や訓練の広がりから生まれるつながり、失敗や成功から学んだこと、あなただけが問える独自の問い、何を変えるべきだと信じているか、そして他人が言えないことを進んで口にする姿勢――これらすべてが含まれる。

だからこそ、AIにプロンプトを入力して出力をそのまま受け入れるだけでは不十分だ。コミュニケーションでAIを頻繁に活用するなら、自分特有のトーン、スタイル、アプローチ、聞き手、思考様式、価値観を理解させよう。自分の最高の仕事の例を与える。リーダーシップや状況判断で用いる「レンズ」を学ばせる。自分らしい表現とそうでないものを伝え、自分が使わない言葉、フレーズ、癖を明示する。

しかし、AIに自分の声を学習させるだけでも十分ではない。押し返す姿勢も欠かせない。AIが自分なら決して使わない表現を提案してきたら、削除する。フレーミングが一般的すぎると感じたら、異議を唱える。同意できない結論を提示されたら、自分の論理を説明し、自分のレンズを踏まえて再考させる。

こちらが言おうとしていることを、より整って、より説得力があるように見せるために、AIが微妙にずらしてしまうなら、本当に意味していることへ引き戻すべきだ。そうしなければ、AIがあなたらしくコミュニケーションするようになるのではなく、あなたがAIのようにコミュニケーションし始めることになりかねない。

まず自分で考え、戦略を練ってから、AIと協働する

ちょっとした発想の転換が、大きな違いを生む。「組織変更についてチーム宛のメールを書いて」と始める代わりに、まず自分自身の思考から始めよう。チームが最も理解する必要があることは何か。彼らが誤解しかねない点は何か。この変化について自分は本当のところどう考えているか。何を確信を持って言えるか、まだわからないことは何か。

できる限りの背景情報を用意したうえで、AIをプロセスに招き入れよう。自分の前提を検証させ、思考を整理させ、抜けを指摘させ、考慮していなかった問いを浮き彫りにさせ、あるいは異なるステークホルダーが自分のメッセージをどう解釈するか示させる。「他部署や他部門の人々は、私の言うことにどう感じるだろうか」「ここで自分がより配慮すべき点は何か」と尋ねてもよい。こうすればAIはあなたの思考を代替するのではなく、強化するようになる。

こうした意図的な関わり方は研究にも裏付けられている。MITスローンの報告によれば、人々にAIの推奨に従う理由を立ち止まって考えさせるだけで、無検討のままAIに依存する傾向は減り、所要時間を大きく増やすことなく正確性が向上したという。

成長に必要な「困難や挑戦」まで自動化してしまわない

キャリアにおける最も価値ある成長の多くは、物事が困難だからこそ生まれる。複雑な考えを説明する練習は、私たちにより明晰に考えることを教える。書くことは、自分が本当は何を信じているかを発見する助けになる。難しい会話を切り抜けることは感情的知性と共感力を育て、過ちを犯したあと適切な言葉を探す作業は謙虚さと責任感を必要とする。

AIはこうした活動から多くの摩擦を取り除いてくれる。その多くは有益だ。しかし、すべての摩擦が悪いわけではない。気を付けなければ、私たちを鍛え、より強い思考者、コミュニケーター、マネージャーへと成長させる経験そのものを、自動化して手放してしまいかねない。目的は困難や余分な時間を保存すること自体ではない。効率化しようとしている作業こそが、実は効果的なリーダーシップに必要な判断力、明晰さ、勇気、感情的知性を育てる作業だと見極めることが大切なのだ。

新たなリーダーシップ・コミュニケーション上の優位性

したがってリーダーにとっての問いは、生成AIを使うかどうかだけではない。より重要な課題は、何をAIに委ね、何を手放してはならないかを見極める識別力を育てることだ。

AIには、コミュニケーションを迅速化し、複雑なアイデアを整理し、盲点を明らかにし、前提を検証させよう。自分の声、価値観、スタイル、目標を理解するよう訓練し、生成された内容が正確でない、真正でない、あるいは伝えたいこと・共有すべきことと一致しないと感じたら、押し返そう。

AI時代における最も重要なリーダーシップ・スキルのひとつは、真のリーダーシップの仕事のうち、どの部分がテクノロジーによって強化できるのか、そしてどの部分は自分の手にしっかりと残しておくべきなのかを見極めることかもしれない。

キャシー・カプリーノは、グローバルに活動するキャリアおよびリーダーシップのコーチ、講演者、作家、ポッドキャストFinding Braveのホストであり、LinkedInトップボイスである。パーソナルブランディングの第一人者でベストセラー作家のウィリアム・アルーダとともに開催する無料のライトニングレッスン「AIとリーダーシップ・コミュニケーション:避けるべき6つの失敗」に参加してほしい。このレッスンでは、信頼、真正性、重要な人間的つながりを犠牲にせずにAIを使ってコミュニケーションする方法を紹介する。

forbes.com 原文

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