マーケティング

2026.09.18 14:15

「服だけを正しく選んでも、プレゼンスは成立しない」Z世代ファーストレディの最適解

Rama Duwaji and New York City Mayor Zohran Mamdani look on during the New York Knicks Championship ticker tape parade and victory rally celebrating winning the 2026 NBA Finals on June 18, 2026 in New York City/Getty Images

服が「批判材料」になる前に、先手を打つ

公の場に現れる人物の装いは、しばしば本人を攻撃する材料に変えられる。

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2020年、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員が『Vanity Fair』誌の表紙を飾った際、英タブロイド紙は、表紙と誌面で着用した複数の服やジュエリーの価格を合算し、約1万4,000ドルと報じた。しかし、それらは撮影のために用意された借用品であり、スタイリストが構成したルックだった。にもかかわらず、保守系メディアや論客はその金額を、民主社会主義を掲げる彼女への政治的批判の材料にした。

ラマとスタイリストのGabriella Karefa-Johnsonは、そうした批判が起こり得ることを理解していたのだろう。就任式の衣装クレジットでは、多くのアイテムについて「レンタル」「借用品」であることを明記した。高価な服を所有しているという批判の前提を、あらかじめ崩したのだ。これは防御的な対応であると同時に、積極的なメッセージでもあった。

New York Vintageの創設者Shannon Hoeyは、ラマが借りた1980年代のヴィンテージイヤリングについて、こう語っている。

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「購入するのではなくレンタルすることで、彼女はアーカイブピースに新たな命を与えただけでなく、サステナビリティ、サーキュラーファッション、そして小規模な独立系ビジネスを支援することの重要性を、さりげなく示しました」

「レンタルである」と明示することは、透明性であり、サステナビリティへのコミットメントである。そして、予想される批判への先手であり、独立系クリエイターへの支持表明になる。一つの判断が、これだけ多くの意味を持つ。それは単なる政治的計算ではない。もともと古着を好み、小規模なブランドを選んできた彼女の価値観が、公的な立場においても貫かれた結果なのだ。

公的空間に何を持ち込むか

プレゼンスとは、何を着るかだけではなく、その選択を通して、どの思想や文化圏を公的空間に持ち込むかという姿勢でもある、と筆者は考えている。

ラマがパレードにまとった服は、複数のものを同時に可視化した。ニューヨークのストリートカルチャー、スポーツの祝祭性、インディペンデントデザイナーの才能、アップサイクルという持続可能な発想、そして移民都市ニューヨークの多層的なエネルギー。それらを一着に凝縮して、市庁舎前という公的な場に持ち込んだ。

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文=日野江都子

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