アップルが発売するiPhone 18 Proは21万9800円から、iPhone 18 Pro Maxは23万9800円から。前世代モデルの直近の販売価格からそれぞれ2万5000円値上がりし、いよいよProシリーズのスタート価格が20万円を超えた。スマートフォンとしてはためらいを覚える価格であり、「Pro」の名も以前より重く響く。
しかも今年は、例年の秋なら同時に登場していたスタンダードモデルのiPhone 18がない。Proの新機能を適度に取り込み、価格とのバランスに優れた無印モデルを隣に並べて比較できないため、iPhone 18 Proの専門性と高価格がいつも以上に際立って見える。
高パフォーマンスを持続させる設計を突き詰めた
では、iPhone 18 Proはクリエイターや専門職に就くエキスパートだけの製品になったのか。アップルの発表会を現地で取材し、iPhone 18 Proの内部構造や設計思想に関する情報を得た筆者の印象は、むしろ逆だ。
進化の中心にあるのは、高いパフォーマンスを持続させる熱設計、電池持ちの向上、見やすくなった画面、表現力を高めたカメラといった、多くのユーザーが日々実感できる価値だからだ。これらは一見するとプロ向けの高度な技術だが、実際には動作の安定性や電池持ち、撮影のしやすさなどスマートフォンの基本的な使い勝手を底上げするための進化でもある。
今回はiPhone 18 Proのグレイシャーと、iPhone 18 Pro Maxのブラックを入手して試す機会を得た。どちらのProモデルも前世代の基本デザインを踏襲する一方、中身の進化は充実していた。
iPhone 18 Proシリーズの中核となるAppleシリコン「A20 Pro」は、2ナノメートルプロセスで製造される。注目したいのは瞬間的な処理速度を高めただけでなく、長時間にわたって負荷をかけても安定して性能を引き出せるよう、ロジックボード上のチップ配置から冷却機構までを再設計したことだ。
A20 ProはMac向けのMシリーズに着想を得て、シリコンダイとメモリを横に並べたパッケージを採用した。メモリをシリコンの主要な熱経路から外すことで、発生した熱を従来比で約3倍の表面積を持つベイパーチャンバーへ効率よく伝えられる構造とした。
A20 Proとベイパーチャンバーの間には、「metal-over-foam」と呼ばれる特殊な熱伝導材が使われている。圧縮性のあるフォームをグラファイトと金属で覆い、A20 Proとベイパーチャンバーを密着させながら効率よく熱を伝える。ベイパーチャンバー自体も放熱部品にとどまらず、バッテリーやロジックボードを支える構造部品を兼ねている。
アップルによれば、この新しい熱管理システムにより、iPhone 18 Proの持続性能はiPhone 17 Proと比べて最大40%向上したという。長時間のビデオ撮影や編集、ゲーム、生成AIなど、高い処理負荷が続く場面でも発熱による性能低下を抑えられる。複数の高負荷な作業を連続してこなすビジネスパーソンにとっても、この「粘り強さ」は実用的な価値になるはずだ。



