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2026.09.15 15:46

価値観が試される瞬間:事業計画では備えられない、創業者の重い決断

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会社を築く過程で、創業当初には十分に理解していなかったことを学んだ。すべてが順調なときに自分の価値観を語るのは簡単である。本当の試練は、その価値観を守ることに代償が伴うときに訪れる。

それは、想定よりも資金繰りが厳しくなったときに起こる。優秀な社員が重大なミスを犯したとき。誰かが成果を出しながらもカルチャーを傷つけているとき。あるいは、スプレッドシート上では最善に見える決断が、自分が築こうとしている会社にとって正しいと感じられないときに。

前回の記事では、自分自身の起業家としてのルールを定めることについて書いた。だが、そのルールを定めることは出発点にすぎない。会社が成長するにつれ、創業者には意思決定の際にそれらを実際に使うための実践的な方法が必要になる。

私が学んだ教訓をいくつか紹介したい。

1. すべてのビジネス上の問題が緊急事態ではない

創業者として私が行った最大の変化の1つは、緊急性と重要性を切り分けることを学んだことだ。会社を築いていると、ほとんどすべてのことが緊急に聞こえる。顧客が不満を抱いている。従業員が回答を求めている。売上が落ちている。仕入れ先が支払いを求めている。

すべてが創業者自身が対応すべき緊急事態になれば、やがて創業者がボトルネックになる。

私は問題を段階で捉えるようになった。即時の介入が必要な状況もある。従業員が職場でけがをした場合、優先すべきことは明らかだ。いったん止まり、その人のケアをすることである。従業員同士の深刻な対立も、放置すればチーム全体に影響を及ぼす可能性があるため、直ちに対応が必要になる場合がある。一方で、重要ではあるものの、パニックを生むのではなく、定められた期間内に解決できる問題もある。

優れたリーダーシップとは、あらゆることに最速で反応することではない。何に最速で対応すべきかを知ることである。

2. 人を犠牲にして成長を遂げることはできない

起業においては、数値化できるもの、すなわち売上、利益率、コンバージョン率、生産性で測ろうとする圧力が常にある。そうした数字は重要だ。私も注意深く見ている。

しかし、人はスプレッドシートだけで管理できるものではない。

ある人は生産性が高くても、周囲の人々に悪影響を及ぼすことがある。あるリーダーは目標を達成しながら、従業員が発言を恐れる環境をつくることがある。ある従業員は大きな損失を伴うミスを犯しても、なお支援し、育成する価値のある人材であることがある。

私は2つの問いを立てることを学んだ。この人はどのような成果を生み出しているのか。そして、その成果を生み出す過程で、周囲の人々に何が起きているのか。2つ目の問いは、1つ目と同じくらい会社の未来を物語ることがある。

3. 資金繰りが厳しくなったときこそ、価値観が最も重要になる

キャッシュフローの圧力は、リーダーシップに別種の試練をもたらす。資金が潤沢にあるときには、ほとんどすべての価値観を守る余裕がある。忍耐強くいられ、投資もでき、実験もできる。

資源が限られてくると、優先順位は現実のものになる。給与、仕入れ先への義務、マーケティング、在庫、将来への投資が、限られた資源をめぐって競合するかもしれない。そのとき創業者に必要なのは、責任の優先順位である。

私にとって、人に関わる義務や約束には特別な注意を払う価値がある。成長は重要だが、成長を理由に、事業がすでに生み出した責任を無視してはならない。

価値観を守ることは、困難な財務決定を拒むことを意味しない。会社を維持するために、経費の削減、計画の変更、投資の抑制、あるいは6カ月前に機能していたものが今日はもう機能しないと認めることが必要になる場合もある。

目標は、難しい決断を避けることではない。財務状況が変わるたびに別人になることなく、その決断を下すことである。

4. ミスとレッドライン(超えてはならない一線)は同じではない

人はミスを犯す。指示を誤解したり、判断を誤ったり、重要なことを見落としたりすることがある。成長中の会社は不完全なシステムを生み出すこともあり、従業員の問題に見えることが、実際にはプロセスの問題である場合もある。そうした状況には、コーチング、より明確な期待値の設定、あるいはシステムの改善が求められることが多い。

レッドラインはそれとは異なる。レッドラインとは、人々が共に働く上で期待される根本的なあり方を侵害する行為を指す。不誠実さ、重大な無礼、意図的に害を及ぼす行為、あるいは期待値が明確に示された後も繰り返される行為などだ。

創業者はその違いを理解していなければならない。

すべてのミスがレッドラインになれば、人々は意思決定を恐れるようになる。何もレッドラインにならなければ、価値観は壁に掲げられた言葉にすぎなくなる。

5. チームは創業者の考え方を知る必要がある

すべての判断が創業者に戻ってくるようでは、会社は拡大できない。ある時点で、リーダーたちには指示以上のものが必要になる。創業者がどのように意思決定するのかを理解する必要がある。

それは、なぜある問題は直ちにエスカレーションが必要で、別の問題は待てるのかを説明することを意味する。なぜある支出は守り、別の支出は削るのか。なぜある従業員のミスはコーチングの対象となり、別の行動にはより強い措置が必要なのか。

ここで価値観はオペレーティングシステム(OS)になる。あらゆる状況で何をすべきかを人に指示するのではなく、自分がその場にいないときにも使える原則を渡すのである。これは起業における最も難しい移行の1つだ。なぜなら、会社が何を大切にしているかを手放すことなく、一定のコントロールを手放す必要があるからだ。

価値観と成長は対立するものではない

私はかつて、成長すれば会社経営は楽になると思っていた。ある面では、その通りである。資源を得て、経験を積み、周囲にはより強い人材が集まる。

しかし、成長は同時に、価値観が試される機会を増やす。決断はより大きくなる。影響を受ける人も増える。そして、創業者と日々の業務との距離は広がる。

だから私は今、会社の価値観を主に声明として捉えることはなくなった。それは意思決定の道具である。何に最初に注意を向けるのか、何を変える意思があるのか、何を犠牲にする意思があるのか、そして、そうしたほうが簡単であっても何を犠牲にしないのかを教えてくれる。

本当の価値観は、それを書き出したときに見つかるのではない。それを維持することが不都合になったときに見つかるのだ。

そしておそらく、創業者の最も重要な仕事の1つは、成長によって会社の規模は変わっても、その会社を築く価値あるものにした原則は変わらないようにすることだ。

forbes.com 原文

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