コラボレーションがビジネスのスピードを左右するとすれば――私はそう確信しているが――リーダーはそれを偶然に任せてはならない。人々がアイデアに異議を唱え、より良い意思決定を行い、明確な指針のもとでビジネスをより速く前進させられるよう、意図的にその条件を整える必要がある。
重要なのは、どこで働くかということよりも、摩擦を減らしスピードを高める設計になっているかどうかだ。そのためには、次の3点を正しく行う必要がある。すなわち、コラボレーションのあり方を明確化すること、ボトルネックの少ないオーナーシップの文化を築くこと、そして実行段階で勢いを維持することだ。
端的に言えば、リーダーは「議論する(Debate)」「決定する(Decide)」「成果を出す(Deliver)」の方法を知らなければならない。
明確な意図をもって議論する
私にとってコラボレーションとは、人々が課題を解決し、背景情報を共有し、物事を成し遂げやすくすることを意味する。しかし、多くの企業では会議をコラボレーションのスタート地点と捉えがちだ。会議室に入ったときが、その仕事について初めて目にするタイミングであるならば、すでに遅れを取っている。
私は、会議の前に非同期のコラボレーションを行うことを推奨している。ステークホルダーに、アイデアを出し合い、読み、反応する時間を与えるのだ。そうすれば、会議の時間は本質的な議論や、最適な進め方の決定に充てることができる。
たとえば、Zscalerで社員に実践を求める「コミットメントと行動指針」を策定した際、私はまず、明確なゴールとアイデアのたたき台をチームに共有した。その後、チームメンバーは非同期でブレインストーミングを行い、数日間かけてそのアイデアを具体化し、発展させていった。最終的に、彼らはそのアイデアをガイドラインの草案へとまとめ上げた。その結果、最初の会議はプロジェクトをゼロから説明するのではなく、残された課題の解消に充てることができた。
また、優れた議論とは合意を形成することではなく、アイデアに異を唱え合うことで最適な解決策を見つけ出すことだと認識することも重要だ。チームが人ではなく「課題」を追及するとき、より良い解決策が生まれる。ただし、リーダーは「足並みを揃える」という名目の、見せかけの調和を避けなければならない。
適切に行われれば、議論は透明性を高め、仕事を前に進める原動力となる。
オーナーシップの確立により決定する
議論が思考の質を高めるものだとすれば、意思決定はその思考を、明確かつタイムリーなコミットメントへと変換するものだ。もちろん、そこには落とし穴もある。多くの企業は、意見を効果的に集めることには長けていても、意思決定者を特定する段階でつまずいてしまう。「意見を幅広く取り入れること」と「意思決定をすること」を混同しているのだ。これは遅れを生じさせ、説明責任を弱め、実行スピードを低下させる。最善の意思決定は、誰がその決定に責任(オーナーシップ)を持つかが明確であるかどうかにかかっている。
意思決定はしばしば困難を伴うため、リーダーは代わりに「エスカレーション(上申)」を選択することがある。しかし、重要な選択が指揮系統の上部へと押し上げられると、その問題について最も熟知している人々から決断の場が遠ざかってしまう。意思決定は、組織図の最も高い位置にいる人ではなく、それを下すのに最も適した人物が行うべきだ。エスカレーションが常態化している場合、それは通常、説明責任が曖昧であることを示している。そして、それは構造的な問題ではなく、リーダーシップの問題である。
ステークホルダー全員がすべての決定に同意する必要はない。しかし、一度決定が下されたら、その決定を蒸し返したり、それに逆らって動いたりすることは避けなければならない。コミットし、実行する時なのだ。
説明責任をもって成果を出す
「決定する」はコミットメントを生み、「成果を出す」はそれを結果に変える。決定が下されたら、私は人々に動いてほしいと考える。効果的な実行がなければ、アイデアを議論し、意思決定を行うのに費やした時間と労力はすべて無駄になってしまう。
決定が下されたら、人々は自分が何に責任を負っているのか、次のステップは何か、成功とはどのようなものかを把握する必要がある。リーダーには進捗に関する定期的かつ意味のある報告が必要で、リスクは早期に表面化させなければならない。プロジェクトの進路について混乱があってはならない。
コラボレーションは偶然に任せるにはあまりに重要すぎる。組織の運営方法の中に設計として組み込まれなければならない。リーダーは、より良い議論、より明確な意思決定、より規律ある実行のための条件を整えることで、ペースを設定するのだ。
「議論する」「決定する」「成果を出す」の3要素が連動して機能するとき、コラボレーションはビジネスパフォーマンスの真の推進力となる。議論は思考の質を高める。決定は明確性とコミットメントを生む。成果を出すことは、そのコミットメントを結果へと変える。
生産性を追求する上で、会議の削減、組織のフラット化、そしてもちろん、オフィスへの出社率向上などは、すべて妥当な目標だ。しかし、真の強みは、リーダーが摩擦の軽減、オーナーシップの明確化、そしてアイデアから成果に至る迅速なプロセスの設計に取り組んだときにこそもたらされる。



