フェイスブック上の企業ページの数は5千万件を突破し、4月の4千万件から大きく増加している。同社は12月8日、企業ページに投稿されるコメントの数が月間25億件に達したと発表した。また、企業がデバイスを横断して顧客と快適にコミュニケーションを行えるようにするため、メッセージ機能をアップグレードしたことも明らかにした。
「ユーザーは好きなデバイスを使って好きな時間に企業にメッセージを送ることができます。こうした中、企業がカスタマーサービスの品質を向上するため、私たちは企業ページ上で新しいツールの提供を開始しました」とフェイスブックページのプロダクトマネジャーを務めるマイケル・エイヤル・シャロンは話す。「今後は、顧客が投稿したパブリックコメントやプライベートメッセージへの対応が簡単になり、顧客との関係強化を図ることが可能になります」
新しい機能では、企業はプロフィールページとメッセンジャー上で顧客への返答に要する時間を「数分以内」、「数時間以内」、「1日以内」の何れかで表示することができるようになる。応答ができない場合は「不在中」のステータスを表示させたり、自動メッセージを返信して、顧客をお役立ち情報のページなどに誘導することも可能だ。受信ボックスのデザインも刷新され、企業の担当者は顧客からメッセージを受信すると、その顧客との過去のやり取りや、顧客が自身のフェイスブック上で公開している居住都市などの情報を確認することができるようになった。また、その顧客が注文した商品や希望するカスタマーサービスとの対話手段など、顧客とのコミュニケーションに役立つ情報を記録することもできる。さらには、対応を忘れて放置してしまうことを防ぐため、追加対応が必要な場合はフラグを立てたり、対応が完了している場合はマークを付けるなど、顧客コメントの管理もしやすくなっている。
今回のアップグレードは世界中で実施され、数ヶ月以内に全ての企業ページに反映されるという。フェイスブックがメッセージ機能の拡充を実施した背景には、企業が受信するメッセージの数が過去1年で倍増したことがある。先月の決算発表後に行われた電話会議でシェリル・サンドバーグCOOは、フェイスブックが中小企業向けビジネスを非常に重視していると述べている。アメリカでは、中小企業の約三分の一がインターネットを全く活用していないという。
フェイスブックは投資家向けの業績発表で、数多くの広告商品の中でも特に動画広告やカルーセル形式の広告、インスタグラム広告の売上拡大に重点的に取組むと発表している。同社の今年7-9月の業績は、売上高が前年比41%増の45億ドル(約5400億円)、純利益は前年比11%増の8億9600万ドル(約1075億円)となり、いずれも市場予測を上回った。