リーダーシップ

2026.09.15 08:51

なぜリーダーは「好奇心」を競争戦略として捉えるべきなのか

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なぜリーダーは「好奇心」を競争戦略として捉えるべきなのか

「好奇心は人間の本質のきわめて基本的な要素であるため、私たちはそれが生活のいたるところに存在していることにほとんど気づかない」。既存の研究をレビューしたある論文の著者らは、好奇心をそのように表現している。

『Why? 〈なぜ〉を科学する(原題:Why? What Makes Us Curious)』の著者マリオ・リヴィオは、あるインタビューでこう述べている。「好奇心をそそられる対象は、年齢や時代、あるいは就いている職業によって変わるかもしれない。人によって好奇心を持つ対象は異なり、その好奇心の強さのレベルも異なる」

リヴィオの言葉は、私の実感と強く重なる。ビジネスの世界で私が気づいたのは、生まれ持った好奇心の強さの違いを越えて、時とともに好奇心が薄れていくリーダーがいるということだ。彼らは質問をしなくなり、物事に疑問を持たなくなる。私の見方では、それは彼らにとって不利益となる。リーダーの好奇心が薄れると、チームメンバーもそれに追随することが多く、重要な観察の見落とし、慢心の蔓延、優位性の喪失につながりかねない。

なぜ一部のリーダーの好奇心は時とともに薄れるのか

なぜ一部のリーダーは時が経つにつれて好奇心を失うのだろうか。考えられる理由はいくつかある。

まず、ビジネスを立ち上げる初期段階では、リーダーはより多くの質問をする傾向がある。しかしビジネスが成功すると、リーダーの質問は減り、あるいはまったくしなくなることがある。成功が、そもそも彼らを好奇心へと駆り立てていたプレッシャーを取り除いてしまうのだ。

加えて、ビジネスが成長して一定の段階に達すると、リーダーは「維持モード」に陥ることがある。うまく機能するシステムやアプローチがすでにあり、自らの決断を見直したり、物事の進め方を疑問視したりすることに時間と労力を割く必要性を感じないのだ。彼らの専門知識は硬直化して思い込みへと変わるかもしれない。実際、リーダーを有能にしているまさにそのシステムやアプローチ、専門知識こそが、変化する環境において現状がまだ通用するのかを問う姿勢を鈍らせてしまうことがある。

ビジネスが成長するにつれ、リーダーは質問すること、特に基本的な質問をすることで、チームの前で時代遅れに見えるのではないかと恐れることもある。そこで、質問する内容をより厳選する(つまり質問の数を減らす)か、まったく質問しなくなる。

最後に、リーダーとしての業務要求が好奇心を押しのけてしまうこともある。競合する優先事項を同時に処理することに追われていると、好奇心を発揮することは機会ではなく、むしろ邪魔に感じられるかもしれない。

時が経つにつれ、リーダーは自分の質問が減っていること、あるいは質問しなくなっていることへの自覚を徐々に失っていくのだ。

リーダーの好奇心が薄れることのリスク

先に述べたように、リーダーの好奇心が薄れると、チームメンバーも同じ状態に陥る可能性がある。それは、リーダーとチームが重要な観察を見落とし、慢心し、競争優位を失うことにつながりかねない。

これらの結果が積み重なると、私が重大なリスクとみなすもの、すなわち「具体的かつ現時点での差別化要因を明確に説明できなくなる」という事態を招く。チームが自社を競合と区別する要素を語れなければ、顧客もそれを理解することはできない。

もう一つの重要なリスクは、かつて機能していたものがもはや機能しなくなっていることを、チームが認識できなくなることだ。リーダーやチームメンバーが、競合や顧客がすでに移行してしまったアプローチに頼り続けてしまう可能性がある。

好奇心を仕組み化するための、リーダーが活用できる4つの習慣

リーダーは好奇心を気質ではなく業務的なものとして捉え、それを発揮することを習慣にすべきだと私は考える。自社の経営のなかで、私は定期的に好奇心を実践するための4つの習慣を築いてきた。

まず、私とチームは離れていった顧客と話す努力をしている。人は理由があって離れていくものだが、その理由を必ずしも伝えてくれるとは限らない。その理由を突き止めることは、自社に変更が必要かどうかを示すシグナルになる。元顧客に電話をかけ、「ネガティブな体験があったことがこの決断の理由ですか」「何かが違っていればよかったと思うことはありますか」といった質問をすることをお勧めする。彼らの答えは、既存顧客に向けてビジネスを形作るうえで役立つはずだ。たとえば、顧客が他州に引っ越すため離れていったのに自社がそこで営業していない場合、それは自分たちにコントロールできることではない。しかし、チームの顧客対応が不十分だと感じて離れたのであれば、それは改善できる。

また、私は顧客の立場に立ってみることを心がけており、チームメンバーにも同じことをするよう促している。自社と取引する際に顧客が通るのと同じプロセスを、実際に体験してみるのだ。たとえば実店舗を訪れて見学ツアーに参加したり、デモを依頼して受講したりすることである。私の場合、入学ディレクターや同部門の他のメンバーにプロセスを案内してもらい、私が保護者を演じて質問する。これによって、彼らも私も顧客体験に対する感度を保つことができる。可能な範囲で、顧客の視点から競合他社を評価することも有益だ。たとえば、彼らが一般公開しているイベントに参加したり、ウェブサイトや顧客向け資料を調べたりすることができる。そうすれば、彼らの提供内容と自社の提供内容を比較し、彼らが違うやり方をしている点を特定できる。

さらに、私のリーダーシップチームは、新入社員に入社後1週間で驚いたことを尋ねている。この情報は、従業員が入社直後にわが社をどう体験しているかについての洞察を与えてくれるし、新入社員体験を改善するために何を変えられるかも教えてくれる。この習慣を取り入れることで、従業員体験の重要な部分について新鮮な視点を得ることができる。

最後に、私は自分の業界外のコンテンツを読み、聴き、視聴するようにしている。それによって知識が広がり、自身の業界に応用できるアイデアに触れることができる。私の見方では、主に自分の業界内のコンテンツばかりを読み聴きしていると、視野は広がらない。また、業界外のアイデアについて考えることで好奇心を伸ばす機会も逃してしまう。

背中で示すことで好奇心を伝染させる方法

おそらく、あなたの会社が現在持っている差別化要因の多くは、かつて誰かがあえて口にした質問から生まれたものだろう。

リーダーとして、できる限り頻繁に好奇心を発揮することを心がけてほしい。そうすれば、チームに手本を示すことができる。好奇心が可視化されると、それは伝染していく。そして伝染したとき、自社を際立たせる最高のアイデアが生まれてくるのだ。

forbes.com 原文

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