宇宙

2026.09.15 10:00

月の水、マスクが構想する「数百万人規模の都市」には不十分 最新研究

Rick Kern/Getty Images

Rick Kern/Getty Images

科学誌『Frontiers in Space Technologies』に掲載された新たな研究論文によると、月に存在する水の量では大規模な都市を約100年間しか維持できないことが判明した。これにより、数百万人が住む「自己成長型」の都市を月に建設するというイーロン・マスクの計画に疑問符が付けられた。

同研究は、100万人以上が住む大型都市は月に存在することが分かっている水の量をわずか2.4年で使い果たすと指摘している。これは、水が生活用水や農業用水、さらには計画されている重工業やデータセンターで使用されると想定した場合の計算である。

したがって、月面へのいかなる入植も、国際宇宙ステーション(ISS)で採用されているような極めて効率的で厳格な水のリサイクルを実施せざるを得ない。

同研究によれば、ISSの水リサイクル効率は98%に達しており、この基準を適用した場合、人口100万人の都市は約100年間維持できるという。人口約10万人のより小規模な都市であれば、さらに1000年間持続できる可能性がある。

論文の著者らは、南極大陸に滞在する研究者の数と同規模の人口約1000人の「月の村」であれば、より持続可能で、かつ「気兼ねなく」水を使用できると推測している。

ただし、研究者らは水不足に対するいくつかの解決策の可能性にも言及している。例えば、入植地での水のリサイクル効率をさらに高めること、垂直農法などの技術を用いて水の使用量を減らすこと、近くの小惑星から水を持ち込むこと、あるいは月面そのもので新たな水源を発見することなどだ。

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翻訳=江津拓哉

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