宇宙

2026.09.15 10:00

月の水、マスクが構想する「数百万人規模の都市」には不十分 最新研究

Rick Kern/Getty Images

月には約3400万トンの水が存在

研究者らは、月には約3400万トンの水が存在すると推定している。月の極地周辺にある巨大なクレーターには氷が存在する。これらのクレーターの中には、約40億年にわたって太陽の光が届いていない「永遠の闇の穴」と呼ばれる場所がある。そこには温度が華氏マイナス261.67度(訳注:摂氏マイナス約163度)を超えることのない「コールド・トラップ」が形成されている。米航空宇宙局(NASA)によれば、同局が計画している月面基地は月の南極に建設される予定だ。

advertisement

論文では、月面に恒久的な居住地を建設するにあたり、発電設備の構築の難易度についても検証されている。研究者らによると、太陽光発電については問題にならない可能性が高いという。常に太陽の方向を向いているクレーターの頂点にソーラーパネルを設置できるためだ。研究者らが米国時間9月14日に発表したところによれば、月にはシリコンが豊富に存在するため、太陽光パネルは月面で製造できる可能性も高いという。しかし同研究は、数百万人の生活を月で支えるには核分裂発電が必要になるとしている。ただし、これも「月の人口に対する軽微な制約」に過ぎないという。フォーブスはこれらの制約に関する詳細を研究者らに問い合わせている。

わずか7人の研究者が滞在するISSと同様の98%という水リサイクル効率を、人口100万人を超える都市で達成することが果たしてどれほど現実的なのかは不透明だ。論文は、恒久的な都市には月の低重力環境下で機能するシャワーや洗濯設備、トイレなど、水のリサイクル効率を「低下」させる可能性が高い衛生設備がより多く必要になると指摘している。

月面に都市や産業を構築する計画は急速に進展している。NASAは3月に恒久的な月面基地の計画を発表し、2032年には人類の居住区の建設を開始する予定だ。しかしマスクは、恒久的な居住計画についてより野心的かつ楽観的な姿勢を見せている。彼は2月、今後5年から7年以内に月面に「自己成長型都市」を建設する計画を優先して進めると語った。7月のインタビューではさらに強気の姿勢を見せ、「本物の大都市のような、完全に自立した月面都市」に「数万人」規模の人々を送り込むと主張した。マスク、そしてブルーオリジンを所有するアマゾン創業者のジェフ・ベゾスなど、宇宙事業を手がける大富豪らは近い将来に重工業やデータセンターを宇宙空間に移転させる計画を明かす。

advertisement

推定資産額9317億ドル(約149兆円)のマスクは2位以下に大差をつけて世界一の富豪の座を以前として維持している。ベゾスは世界で3番目の富豪であり、14日時点の推定資産額は約2704億ドル(約43兆2600億円)だ。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事