トランプ、AIめぐる懸念払拭に躍起
トランプはここ数日、AI技術の急速な進歩に対する懸念の高まりを繰り返し突っぱねている。13日には、AIは「悪い面よりも良い面のほうがはるかに多い」と発言。「われわれはAI分野で中国をリードしており、世界で最も先進的な国だ。率直に言って、その状態を維持したい」と述べて、さらなる「安全策」を求める声に目もくれない姿勢をみせた。
さらにトランプは、AIに関する懸念が高まっているのは「問題を煽っている否定的な勢力」がいるからだと主張し、具体的に名指しはしないまま「起こり得ない問題を持ち出している」と非難した。
トランプは先週中にも記者団に対し、AIが人類の絶滅につながる懸念を一蹴し、「AIで勝てなければ、われわれは極めて不利な立場に追い込まれることになる」と断言した。
AI業界から相次ぐ懸念、企業トップが開発の減速を呼びかけ
先週、業界を牽引してきたAI企業の開発者たちが相次いで、AI技術によって人類が滅亡する恐れがあるとの厳しい警告を発した。これに続き、AI企業トップから潜在的な安全上のリスクを理由にAI技術の開発ペースを緩めるよう呼びかける声が上がった。
OpenAIからアンソロピックに転職したAI研究者のジェイコブ・コクソンは先週、辞職を公表するとともに、両社を「人類の命運を賭けの対象にしている」と非難する告発文をX(旧ツイッター)に投稿。「AIを開発している人々は、今後10年以内にAIが全人類を滅ぼす可能性があると真剣に信じている」と警告する一連の投稿は、1億7100万回以上閲覧された。
アンソロピックのアライメント・サイエンス責任者エヴァン・ヒュービンガーは、コクソンの投稿を引用して「私たちは心底、AIが人類を滅ぼしかねないと信じている」と述べ、その確率は「今後10年以内に10%を超える」と見積もった。
こうした中、アモデイは自律型ボットによる「インターネット全体の乗っ取り」が今後半年~1年以内に発生して「数千億ドル規模の損害をもたらしかねない」と警鐘を鳴らすエッセイを公開。「AIモデルの能力を向上させるペースを遅くしなければならない」と述べ、OpenAIの自律型エージェントがHugging Face(ハギングフェイス)のサーバーに侵入したハッキング事件を「壊滅的な損害」を引き起こしかねなかった事例として挙げた。
マスクはXへの投稿で、アモデイの主張は「正しい」とコメント。続けて「何らかの監督が必要だ」と付け加え、「競合他社によるAIのピアレビュー」を提案した。アルトマンも「最先端技術の開発ペースを調整する必要があるという点でダリオに同意する」とXに投稿。「従業員と同等のアクセス権を持つ独立した評価者」というアモデイの提案を「すばらしいアイデアだ」と評した。
中国の反応は
中国は、AI開発の減速を求める声をはねつけた。中国外務省の郭嘉昆報道官は14日の定例記者会見で、「脅威を煽る行為、対立、悪質な競争」は「AIのグローバルガバナンス」を乱すと述べた。習近平国家主席は今月下旬に訪米する予定で、その際にはAIが主要な議題になるとみられている。


