公職者の暗号資産発行を禁じ、関連持ち分も規制
「トランプは、連邦選挙で選ばれるすべての公職者と判事、その配偶者に、米国史上でも特に厳しい部類の倫理規制を課す新条項を自ら進んで受け入れた」。共和党のシンシア・ルミス上院議員はXへの投稿でこう述べた。
9月13日に公表されたクラリティ法案の新たな文案には、公職者による暗号資産事業への関与を制限する倫理条項が盛り込まれた。規制内容は従来案より踏み込んでいる。
規制対象の公職者は、対価を受け取ってデジタル資産を発行したり、発行を後援したりすることを禁じられる。持ち分についても規制が設けられた。対象となるのは、過去3年間のいずれかに、デジタル資産の発行または後援から収入の大半を得た事業だ。こうした事業で1万5000ドル(約233万円)以上に相当する持ち分を保有している場合、その経済的利益を売却するか、適格ブラインド・トラスト(白紙信託)へ移さなければならない。白紙信託は、本人が資産の具体的な運用内容に関与できないようにする仕組みだ。
違反した場合の制裁金は、受け取った金額の20%か50万ドル(約7750万円)のうち、大きい方となる。州内の住民に100ドル(約1万5500円)を超える損失が生じたと立証できる州司法長官は、差し止め命令を求めて米司法長官を提訴できる。
トランプの暗号資産事業も倫理条項適用の焦点に
トランプが2026年6月に米政府倫理局を通じて公表した資産開示には、暗号資産事業を手がけるワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)に関連する多額の収入が記載されていた。
WLFが発行したトークンの販売による収入は約5億1500万ドル(約798億円)、WLF持ち株会社の持ち分売却による収入は6500万ドル(約101億円)だった。「セレブレーション・コイン」のロイヤルティーは6億3500万ドル(約984億円)で、ブルームバーグは、このロイヤルティー収入をトランプのミームコイン事業と関連付けている。
WLFはステーブルコイン「USD1」の発行元でもあり、USD1は発行から1年足らずで世界トップ5に入った。倫理条項では、一定の条件に当てはまる公職者が関連事業で1万5000ドル(約233万円)以上の持ち分を保有している場合、その持ち分を売却するか白紙信託へ移す必要がある。トランプに残る関連事業の持ち分が、この1万5000ドルの基準に達するかどうかは、監督を担う倫理機関が判断する。


