クラウド依存を減らし、iPhone本体でAI処理を増やす戦略
アップルが2nmで先行していることは、同社が何を優先しているかを明確に示す。スマートフォン市場全体が成熟する中でも、アップルはチップへより多く支出する意思がある。同社は、AI処理をすべてクラウドに任せるのではなく、より多くをiPhone本体で処理できるとみている。
アップルは2026年1月、新しいSiriを動かすAIとしてグーグルのGeminiを選んだ。だが、iPhone本体でAI処理を担うチップはアップル自身が設計している。
AIへの支出をiPhone価格へ組み込み、販売から回収
アンソロピック(Anthropic)のようなAI研究企業は、データセンターの演算能力を借りるため、数百億ドル(数兆円)規模の契約を結んでいる。アップルはAIへの支出を1199ドルのiPhone価格へ組み込み、1台売れるたびに回収する。
アップルが発表したのは、単に高速なチップだけではない。2nmを競合より早く製品へ採用することで、次世代のモバイルコンピューティングでも先行する意思を示した。
投資家にとっての要点は単純だ。アップルは将来も性能面の優位と、先行企業としての評価を保つため、現在は追加コストを負担している。次世代のAIでは、クラウドだけに依存せず、iPhone本体で処理するための自社設計チップが競争の鍵になるとアップルは賭けている。
アップル株を保有するならTSMC株も保有すべきだ。TSMCはチップを製造し、アップルに続いて2nmへ移行するすべての企業から代金を受け取る。


