ジョン・ターナスは米国時間2026年9月1日、ティム・クックの後任としてアップルのCEO(最高経営責任者)に就任した。2001年にアップルへ入社し、CEO就任前はハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントとして、iPhoneやMac、iPadなどのハードウェア開発を統括していた。ターナスは9月9日、CEOとして初めて製品発表イベントを取り仕切った。
アップルのiPhone 18 ProとiPhone 18 Pro Maxは9月18日に発売され、価格はそれぞれ1199ドル、1299ドルからとなる。アップル初の折りたたみ型「iPhone Duo」は1999ドルからで、10月23日に発売される。
アップルは9月9日、多くの投資家が予想していなかった重要な転換点を迎えた。
編注:日本での価格は、iPhone 18 Proが21万9800円から、iPhone 18 Pro Maxが23万9800円から。iPhone Duoが36万4800円から
iPhone 18 ProとiPhone Duoで2ナノ製造技術を先行採用
アップルは、iPhone 18 ProとiPhone Duoに搭載するA20 Proを、半導体の受託生産を手がける台湾積体電路製造(TSMC)の2nmプロセスで量産に移した。TSMCの2nm技術で作られたスマートフォン向けチップが量産されるのは初めてとなる。
アップルが2nmをいち早く量産製品へ採用したことは、競合より早く新技術を製品化し、市場で先行しようとする姿勢を業界に示している。
半導体製造技術は世代ごとに進化し、2nmはスマートフォンに採用される最新世代となる。世代が進むごとに、同じ面積へより高い計算能力を詰め込める。アップルが重視するのは、同じバッテリーでより高速に動かすことと、過度な発熱を抑えながら負荷の重い処理をこなせる余地を広げることだ。
アップルによると、A20 Proのグラフィックス性能は2025年のチップより最大40%高速で、AI処理を担う部分の性能は2倍になった。動画編集やゲーム、ライブ翻訳は高速化し、端末が発熱によって性能を自動的に抑えるまで、高い処理性能をより長時間維持できる。
A20 Proはクアルコム次期チップの流出テスト結果を33%超上回る
イベント翌日の9月10日に公表された初期の性能テストでは、A20 Proが高い性能を示した。クアルコム(Qualcomm)の次期最上位Android向けチップについて事前に流出していたテスト結果と比べると、A20 Proの処理速度は33%超高かった。クアルコムはスマートフォン向けプロセッサーを手がける半導体企業だ。
iPhone 18 Proの製造コストは38%増、メモリー負担が大幅に拡大
A20 Proの性能には高いコストが伴う。新しいチップを切り出すシリコンウエハーは、1枚約3万ドル(約462万円)とされる。TSMCの2nm向けウエハーは、前世代より10~20%高い。
メモリーチップ価格は2025年初めから5~7倍に上昇した。半導体価格を調査するトレンドフォース(TrendForce)は、256GBのiPhone 18 Proについて、製造コストが2025年モデルより38%高いと推定している。
部品費に占めるメモリーの比率は以前の約10%から約3分の1へ上昇した。iPhone 18 Proの製造コストを押し上げた主因は、新しいチップよりメモリーだった。
値上げ予想150~200ドルに対し、実際の値上げ幅は100ドル
9月9日のイベント前、トレンドフォースはアップルがProモデルを150~200ドル値上げすると予想していた。実際の値上げ幅は100ドルだった。iPhone 18 Proは1199ドル、Pro Maxは1299ドルとなった。
トレンドフォースは2026年8月、アップルがコスト増へどう対応するかを次のように予測していた。
「アップルは最近のMacBook発売時に採用した価格戦略にならい、値上げを抑えるため粗利益率の一部を犠牲にする可能性が高い」
トレンドフォースの見立てが正しければ、アップルは買い替え需要を維持するため、1台当たりの利益を減らしていることになる。



