経営・戦略

2026.09.15 09:45

「オフィスでやさい」KOMPEITOが上場、地銀・信金との連携強化で顧客開拓──ニューカマー100(第2回)

KOMPEITO代表取締役CEO 渡邉 瞬

──M&Aの方針についてはどのようにお考えですか。

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渡邉:現在は、物流や食品製造など、「OFFICE DE YASAI」のバリューチェーンを強化できる企業を中心に見ています。グループ内に取り込むことで、コストを抑えながら、安定して商品を供給できる体制をつくることが狙いです。

物流ではこれまで、牛乳や乳製品を家庭に定期配送する事業を3件譲り受けました。地域を細かく回る配送網を持っており、もともと「OFFICE DE YASAI」の配送も委託していた事業者です。グループに加わってもらうことで、その配送網をオフィス向けにも活用し、ラストワンマイルの内製化を進めています。買収後の統合にも手応えがあるため、今後も同様の事業者を候補として見ていきます。

また、2025年10月には、高齢者向けの配食や介護施設向けの調理済み食材の製造・販売を手がける優食を完全子会社化しました。同社が持つ食品製造と配送の機能は、当社の冷凍弁当や配食事業にも生かせると考えています。

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ただし、高齢者向け事業へ軸足を移すわけではありません。中心にあるのは、あくまでオフィスで働く人に食事を届ける事業です。買収件数ありきではなく、既存事業との相乗効果が見込める会社について、積極的にM&Aを検討していきます。

──米国事業は現在どの段階にありますか。今後、どのように顧客を開拓していくのでしょうか。

渡邉:米国では外食価格が高いうえ、日本のコンビニのように、手頃な食事を身近で買える場所も多くありません。オフィスで働く人の食へのアクセスには課題があり、そこに事業機会を感じています。

2024年に現地法人を設立し、ロサンゼルスを中心に「Lumeal(ルミール)」を始めました。オフィスに冷凍庫を置き、従業員が冷凍弁当を1食5ドルで購入できるサービスです。現在は日系企業を中心に導入されています。

ただ、日本の「OFFICE DE YASAI」をそのまま持ち込んだわけではありません。サラダなど消費期限の短い商品から始めると、立ち上げ当初から複雑な物流網が必要になります。まずは運営負荷を抑えられる冷凍弁当に絞りました。米国の電子レンジは日本より出力が高く、日本なら5、6分かかるところ、3分ほどで温められる。この使い勝手のよさは、現地で事業を始めてわかったことです。

商品の製造は現地企業に委託する一方、営業や配送パートナーの管理、アプリを使った購買・在庫管理は当社が担っています。日本で培った運営ノウハウを基盤にしながら、商品やサービスのかたちは現地に合わせていく考えです。

今は商品力を高めながら、現地企業への導入を広げるための検証を続けています。まず冷凍弁当で事業基盤をつくり、その先ではサラダなど生鮮品の展開も検討していきます。

──株主還元については、どのように考えていますか。

渡邉:現時点では配当を行う考えはありません。しばらくは事業の成長に投資していきます。そのほうが、株主への還元になると考えています。

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文=加藤智朗 編集=川上みなみ 写真=許 相浩

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