経済・社会

2026.09.14 17:15

太平洋島嶼国、中国に代わってオーストラリアの影響が増大

Peter Hermes Furian - stock.adobe.com

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太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議が8月31日から9月3日まで、パラオのコロールで開かれた。PIFは太平洋島嶼国や豪州、ニュージーランドなど18の国・地域でつくる地域共同体だ。ロイター通信は8月31日、「フィジー、バヌアツ、サモア、ソロモン諸島の各首相とキリバスの大統領は、台湾と外交関係を維持するパラオでの首脳会議に出席しない」とし、中台関係の緊張が影響したとの見方を伝えた。ただ、PIF事務局が9月5日に公表した最終コミュニケでは、ソロモン諸島は首脳級出席国に含まれ、フィジー、ニューカレドニア、バヌアツ、サモアは閣僚級、キリバスは高官級の出席とされた。太平洋島嶼国のうち、議長国のパラオのほか、マーシャル諸島、ツバルが台湾と外交関係を持っている。

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確かにキリバスは中国との関係が深い。中国が7月に太平洋上で核搭載可能な長距離弾道ミサイルの発射実験を行った問題で、PIFは9月3日、共同で懸念を表明した。AP通信によれば、共同声明を作成するセッションでキリバス代表の姿は見えなかった。

最終コミュニケでは、ナウルがこのミサイル実験に関する文言に不同意を示したことも記録された。キリバスもナウルも現在の首脳の下で台湾から中国に外交をシフトし、経済援助の拡大など関係強化を強めている

ただ、太平洋島嶼国の事情に詳しい東海大学の黒崎岳大准教授によれば、首脳級の欠席や途中離脱の理由は中国の影響だけではないという。サモアではラアウリ・レアテア・シュミット首相が欠席したが、体調不良や内政の問題を抱え、当初から出席が難しいとみられていた。ソロモン諸島の場合、マシュー・ワレ首相は出席したものの、国内で提出された不信任案に対応するため、パラオを離れた。そもそも、ワレ首相はソガバレ前政権の親中路線の見直しを進めている。

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PIFを構成する太平洋島嶼国は広大な海域に散在しているため、地政学的な事情の違いから、まとまった行動が取りにくいという事情を抱えてきた。本来、PIF首脳会議には各国首脳が参加しなければならないとされてきたが、2010年代後半から首脳が欠席または代理出席がなされる事態がたびたび起きている。2022年のPIF首脳会議は、事務局長選出の混乱からミクロネシア圏3カ国の首脳が欠席した。昨年のPIF首脳会議はソロモン諸島が台湾代表にビザを発給しない方針を明らかにしたため混乱し、最終的に中国や台湾などの域外パートナーを招待しないことになった。

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文=牧野愛博

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