「一番になるのではなく、正しくやる」というアップルの信条は、iPhone Duoでも実現しているようだ。製品化までに8年の歳月を費やしたものの、その価値は十分にあると言える。
アップルの経営交代とスポットライト
ティム・クックについても触れておきたい。初の折りたたみiPhoneを発表する場面で、クックはガーマンの言い方を借りれば「栄光を手にする」こともできたはずだが、そうはせず、後任のジョン・ターナスCEOにスポットライトを譲った、とガーマンは指摘している。
これは、私がこの15年間で何度も直接インタビューを行ってきたクックという人物像と重なる。彼が優先したのは、アップルにとって何が正しいかということだったはずだ。
iPhone Duoの主な使い道
ガーマンの評価は、使い道の面にも向けられている。アップルは「iPhone Duoの使い道……つまり、人々がこれを買うべき理由を、きちんと見出したようだ」というのである。
それはもちろん、アップルが昔から得意としてきたことだ。想像力をかき立てるハードウェアを作る。それも、デザインのためのデザインではなく、目的のあるデザインとして作る。
「アップルは動画視聴、ゲーム、写真撮影に全力を注ぎ、そのうえで折りたたみならではの機能を加えている。ウィジェット向けに強化された『スタンバイ』、もう一方のディスプレイをビューファインダーとして、あるいは相手に見せるモニターとして使う新しいカメラ機能とFaceTime機能、そして本体を自立させられることを生かした目覚まし時計モードなどである」とガーマンは書いている。
私の言い方はこうなる。初代iPhoneと同じように、これは、抗いがたい形でハードウェアの意味を定義するというアップルのやり方だ。iPhone Duoを本当に必要としている人は少ないかもしれない。だが、欲しいと思っている人は確かに多い。


