経営・戦略

2026.09.18 08:15

伝説のバンカー・大櫃が語る、伸びるリーダーの条件(第2回) 弁護士ドットコム・元榮の「逆張り」はなぜ外れないのか


答えを決めず、人に会い続ける

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ほかにも元榮さんの特長だと思うのが、人の意見を聞き、必要なら自分の考えや行動を修正できることです。

元榮さんは、淡々としていて、自分の考えを貫くタイプにも見えます。しかし実際には、さまざまな人の意見を積極的に取り入れてきました。弁護士業界では、企業法務の第一人者として知られ、13年から弁護士ドットコムの顧問も務めた久保利英明弁護士をはじめ、多くの先輩を師と仰ぎ、意見を聞く。一方で、テクノロジー企業の経営者とも付き合い、AIをはじめとする新しい技術や海外の動向についても情報を得ています。

この二つの世界に居場所を持っていることも、元榮さんならではだと思います。弁護士の世界だけにいれば、その業界の常識のなかで物事を考えることになる。テクノロジーの世界にも接点があるから、新しい技術が出てきたときに、「では法律の世界では何が変わるのか」と考えられるのです。

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16年から6年間、参議院議員を務めたあと、再び事業へ軸足を戻すときには、そうして人の意見を聞くだけでなく、実際に自分の行動を変えられる強さを感じました。

参議院議員を退任して、もう一度事業に使う時間を増やそうとしていたころ、私を含む何人かで、元榮さんの数カ月分の予定を一緒に見直したことがあります。議員時代に増えた会食や付き合いを一つずつ見ながら、「これは本当にいま会う必要があるのか」と整理していったのです。

元榮さん自身は、「この人との関係は、将来事業につながるかもしれない」と、それぞれの予定に意味を感じていました。それでも自分だけで判断せず、私たちの意見を聞き、必要だと思えば予定を減らしていきました。

経営者は成功するほど、人から意見を言われる機会が減っていきます。そのなかで、自分とは違う意見にも耳を傾け、必要なら軌道修正できるかどうかは、その後も成長を続けるうえで大きな差になると私は考えています。

大きく懸けるからこそ、判断を誤らないための備えも怠らない。元榮さんにとって、人の意見を聞き続けることは、賭けの精度を上げるための行動でもあるのだと思います。

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