気候・環境

2026.09.14 10:22

新たなファーストレスポンダー:先見的リーダーたちが変える危機管理のかたち

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ほぼすべての指標において、データは米国のコミュニティが身をもって体験している現実を裏づけている。深刻な環境危機やインフラ危機は、もはや順番を待ってはくれない。従来型のシステムが対応できるよう設計された範囲を超え、より激しく、より速く襲いかかっている。1980年代、米国のコミュニティが被害額10億ドル(約1540億円)規模の気候・気象災害に見舞われた際、次の災害までに復旧にあてられる期間は平均82日あった。しかし現在、その猶予はわずか10日にまで縮まっている。

こうした複合的な圧力に既存の組織が対応しきれないなか、新たなリーダーシップの形が根づき始めている。都市、非営利団体、専門的な連合体を横断し、成功を収めているイノベーターたちは、今日の重大局面に対処するには、災害が起きるはるか前からレジリエンスを築いておく必要があることを示している。

極端な猛暑を乗り切るためのリーダーシップ

過去10年間で、米国における暑熱関連死は2倍以上に増え、過去最多の水準に達している。極端な猛暑は毎年、ハリケーン、竜巻、洪水を合わせた数よりも多くの命を奪い続けている。大都市圏では、都市ヒートアイランド現象により地表温度が周辺の農村部より最大で華氏20度高くなり、日没後もコンクリートが熱の罠と化す。この複合的な危機に取り組んでいるのが、フェニックス市の熱対応・緩和局(Office of Heat Response & Mitigation)局長のデビッド・ホンドゥラ博士である。

気温が観測史上最高の華氏117度に迫るなか、ホンドゥラはまさに自らの部署が対処するために設けられた現実に向き合っていた。気温上昇への対策に全面的に特化した全米初の自治体機関として2021年に発足した同局は、都市の気候適応の最前線に立つフェニックスの位置づけを確固たるものにした。気温がピークに達した日に慌てて警戒を呼びかけるのではなく、ホンドゥラと彼のチームは継続的な運用プレイブックを実行している。「私たちが仕事をきちんとこなせていれば、この夏一番の暑さになるであろう今日も、1カ月前や2カ月前とまったく変わらないはずだ」とホンドゥラは説明する。「私たちは、極端な暑さに対して季節を通じた対応をとることに本当に力を入れている。だから、今日になって大きなスイッチを入れ、警報を鳴らすわけではない」

行政に入る前、ホンドゥラは学界で長年、都市気候学と脆弱性を研究してきた。その世界から市役所へと移ったホンドゥラは、研究者ならではの厳密さを自治体の実務に持ち込んだ。その原動力となったのは、シンプルな気づきだった。「何ができるかについて書いていながら、そのギャップを埋める候補者として少なくとも自分自身を考えることすらしないのであれば、私がしてきた仕事は少し空虚に感じられた」

彼の深い専門知識は今、インフラ、医療、社会的支援が同時に機能する多面的な戦略を動かしている。彼のリーダーシップの下、市は幅広いネットワークを調整している。フェニックス消防局による現場規模の冷水浸漬プロトコルといった最前線の取り組みを展開し、樹冠を拡大し、アスファルトを華氏10度以上低く保つために約150マイルに及ぶ遮熱性舗装を敷設している。

暑熱関連の911通報の3分の1が発生する夜間の脆弱性に対処するため、フェニックスは地域で唯一の24時間365日対応の暑熱避難センターを運営している。毎夏、数万人が訪れるこの施設では、住民を住宅、シェルター、医療につなぐ社会福祉サービスも組み込まれている。こうした多くの可動部分をまとめるには、従来の行政の縦割りを解体する必要がある。「暑さのような大きな課題には、チームでの対応が必要だ」とホンドゥラは繰り返し強調する。「この仕事は非常に協働的で、領域横断的で、セクターを超えたものだ。そして、そこにこそ本当の変化が起きる」

緊急対応の再発明

全米では、極端な気象が同国の自然地帯を持続的な危険地帯に変えてもいる。米国の山火事は、過去10年の平均で毎年700万エーカーを焼いている。緊急情報追跡を行う非営利団体Watch Dutyの共同創業者兼CEOであるジョン・ミルズにとって、壊れた公共システムを修正するために立ち上がるきっかけは、2020年にオフグリッド生活を始めたソノマ郡の農村部で、その脅威のただ中にいたことだった。

Watch Dutyを立ち上げる前、ミルズはシリコンバレーでソフトウェアを構築し、十分なサービスを受けられていない市場向けにテクノロジーを拡大する仕事に長年携わっていた。そのテック起業家としての経験は、急速に迫る山火事と、公的チャネルからのまばらで遅い情報更新に直面したとき、不可欠なものとなった。住民に情報を届けるはずの既存の災害対応インフラが、展開する現実に大きく遅れていることに気づいた彼は、トップダウンの修正を待つのをやめた。その代わりに、無線スキャナーのオペレーターやソフトウェアエンジニアを集め、80日間の集中作業でリアルタイム追跡ネットワークを構築した。

差し迫った情報ギャップを埋めるための地道な草の根活動として始まったこの取り組みは、適切なツールがあればコミュニティがより速く対応できることをすぐに示した。Watch Dutyは、かつて無線チャンネル、監視カメラ、人工衛星、政府の更新情報に分散していた情報を集約し、それに人による確認を組み合わせることで、人々が何が起きているのかをリアルタイムで理解できるようにした。その結果、このツールは急速に全国的なリソースへと成長し、立ち上げ以来、3000万人を超える人々に利用されている。

その基盤の上に、Watch Dutyは2026年6月、山火事を超えて全国規模のリアルタイム洪水追跡を開始した。すでに洪水被害地域では利用が増えている。しかしミルズにとって、その成長は勝利ではなく、居心地の悪い現実を映し出すものだ。「Watch Dutyが存在する必要などなければよかったと思う。これはテクノロジーの成功物語ではない。本来守るべき人々を守れなかったシステムと、それを自分たちで直すと決めたコミュニティの物語だ」

サイバー防御の強化

物理的災害が現場でコミュニティのレジリエンスを試す一方、米国の市民インフラの内部では目に見えない危機が進行している。自治体は、激化するデジタル脅威の波に直面しているのだ。Local Government Cybersecurity Allianceの共同創業者兼共同ディレクターであるエリザベス・デュボワ博士にとって、小さな町を守ることは、知識とリソースの大きな不足に向き合うことを意味する。学術研究のバックグラウンドと、自治体の保険・リスク管理に直接携わった経験を生かし、デュボワは地域機関が急速に変化するサイバー脅威に歩調を合わせられるよう注力している。

準備のできていない自治体がサイバー攻撃を受けると、その影響はただちに広がり、公共安全の中核や重要インフラを脅かす。911指令や警察の位置情報システムなどの緊急サービスが停止し、税金や公共料金の支払いポータルが凍結され、自治体職員は内部システムから締め出される。システム停止期間は平均でほぼ1カ月に及ぶ。

その余波は典型的な金銭要求をはるかに超える。より広範なダウンタイムと業務混乱のコストは10億ドル(約1540億円)を超え、コミュニティは膨れ上がる復旧費用と自治体債の金利上昇に直面し、最終的には一般住民の税負担を押し上げる。生成AIによってサイバー攻撃を仕掛けるために必要な専門性が低くなったことを指摘し、デュボワは、今では基本的な利用者でさえ数秒で説得力のあるフィッシングメールを作成できると説明する。「大したことは必要ない。AIにメールを書かせればよい。数秒で済む。今や本当に攻撃を行うのに、サイバーセキュリティの知識がどれほど少なくて済むのか、その速さは信じがたいほどだ」

こうした高まるリスクに対抗するため、同アライアンスの中核的使命は、複雑な技術フレームワークを、市長、町の事務官、地域の委員会にとって実用的で平易な言葉の指針へと翻訳することにある。そうした基礎的リソースの構築に加え、同団体はメンバーがテンプレートを交換し、実践的な修正策を共有し、現場で実際に機能していることを比較検討できる、ピア主導のコミュニティフォーラムを立ち上げた。

同じ協働の精神は、人に起因するリスクに対する同アライアンスの姿勢にも反映されている。人々は「最も弱い輪」であるという業界の常套句を退け、デュボワは職員こそが最も強力な防御だと主張する。「従業員と自治体チーム、つまり選挙で選ばれた公職者であれ町の委員会メンバーであれ、一人ひとりがツールボックスの中で最も強力な道具であり、最も弱い輪ではない。適切な教育と訓練があれば、組織は多くの脅威を抑えられる」

砂漠、焼失地帯、市役所から得られる教訓は同じである。最も効果的なリーダーは、もはや解決策が向こうからやってくるのを待ってはいないし、急速に進化する危機に単独で立ち向かおうともしていない。代わりに、新たな役割を引き受け、新たな枠組みを築き、次に何が来ても乗り越えられるよう、共有されたツールをコミュニティに備えさせている。

forbes.com 原文

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