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2026.09.14 09:41

資本のライフサイクルを再構築するAI、機関投資家マネーの新潮流

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人工知能(AI)は、資金の流れる先や企業によるアクセス方法から、投資家による配分方法にいたるまで、資本のライフサイクル全体を再構築している。AIネイティブ企業はますます大規模な機関投資家資金を引きつけており、投資家がその資金をより迅速に配分できるようにするための、新たなAI対応のインフラも登場しつつある。

こうした変化が加速するなか、ディールメーカー(取引推進者)たちは取引の執行、情報開示、監視のペースを維持しようと奔走している。

AIネイティブ企業に殺到する機関投資家資金

公開市場に参入する発行体(企業)は、もはや従来のIPO(新規公開株)だけに頼ってはいない。直接上場、デュアルトラック(二本立て)プロセス、代替取引システム、および再び台頭しつつあるSPAC(特別買収目的会社)市場などを検討している。

このようなマルチトラックの活動が、公開買い付けの大規模な復活を後押ししている。EYの2026年第2四半期グローバルIPOトレンドレポートによると、2026年上半期に米国でそれぞれ10億ドル(約1540億円)以上を調達した案件は12件に上り、前年同期の4件から増加した。EYは、AIが半導体、電力、データセンターのインフラ分野において最も強い勢いを持つ主要な推進要因であると指摘し、企業がすでにAI需要を収益に結びつけつつあると言及している。

「資本市場は、AIのインキュベーション(育成)段階から、より規律ある産業的なスケールアップの段階へと移行しつつある」と、コーエン・アンド・カンパニー・キャピタル・マーケッツ(Cohen & Company Capital Markets)の責任者であるジェリー・セロウィック氏は語る。「イノベーションが関心を引きつける主要な要因であることに変わりはないが、投資家は業務の即応性、拡張性、および持続可能なビジネスモデルにますます焦点を当てるようになっている。企業が公開市場での機会を評価するにあたり、技術革新を明確で実行可能なビジネス戦略と結びつける能力が、これまで以上に重要になっている」

コーエン・アンド・カンパニー・キャピタル・マーケッツは、AIセクター内の一連の取引において同様のトレンドを観測している。SPACリサーチ(SPAC Research)が発表したデータによると、このブティック型投資銀行は2025年に430億ドル(約6兆6200億円)を超える取引高を達成し、2025年1月から現在までの期間において、レフト・ブックランナー(主幹事)の取引件数に基づくSPAC IPOの引き受け実績で首位、de-SPAC(SPACによる合併)のアドバイザリー活動でも首位を獲得している。同社は自社の2026年第1四半期フィジカルAIレポートの中で、産業用および物理的なAI(フィジカルAI)アプリケーションに対する投資家の関心の高まりを強調した。同レポートは、ロボティクス分野に焦点を当てた企業を含むフィジカルAI企業が、2026年第1四半期中に250億ドル(約3兆8500億円)以上を調達したと言及している。

AIが極めて急速に主流化したことも、機関投資家の需要を後押ししている。筆者の会社であるプロスパー・インサイツ&アナリティクス(Prosper Insights & Analytics)が最近実施した調査によると、米国の成人の40.6%がすでに生成AIを利用しており、AIネイティブ企業が、すでにこの技術を受け入れつつある市場に向けて構築されていることを裏付けている。

需要の高まりによってより多くのAI企業が資本市場に参入するにつれ、焦点は資金調達から資金配分へと移行している。投資家は、AIが可能にするスピードと規模で資金を動かし、意思決定を実行できるインフラを必要としている。

書き換えられる資本市場のオペレーティングモデル

資本の急増は、現代の市場を支えるインフラにも流れ込んでいる。モルガン・スタンレーの2026年5月のIPO分析によると、第1四半期の世界の株式資本市場の発行額は前年同期比43%増の2568億ドル(約39兆6000億円)に達し、デジタルインフラが主な推進要因に挙げられている。

アルパカ(Alpaca)は、そうした機関投資家資金の預け先の明確な一例だ。40カ国以上で1000万以上の証券口座を支えるこのAPIファーストの証券プラットフォームは、自社のエージェントファーストな証券インフラを拡張するため、新たに1億3500万ドル(約208億円)の資金調達(総額4億3500万ドル(約670億円)の資本・デットファイナンスの一部)を確保した。この機関投資家からの支援は急速な普及に伴うものであり、アルパカの月間アクティブAPIユーザー数は2025年12月から2026年6月までに約4倍に増加している。

しかし、資本をより速く動かすインフラは、情報開示や監視の不備を許容する余地を狭めることにもなる。市場への参加や取引プロセスにAIが組み込まれるにつれ、ガバナンスはもはや資本市場のインフラから切り離されたものではなくなっている。それは、システムを拡張させるための制御レイヤーなのだ。

資本のライフサイクルへのガバナンスの組み込み

発行体や取締役会にとって、その制御レイヤーは、企業がどのようにAIシステムを使用し、それらのシステムがどのような情報を処理し、それらの慣行がどのように開示されるかから始まる。最近のプロスパー・インサイツ&アナリティクスの調査によると、米国の成人の32.5%が、AIシステムが使用するデータに関するさらなる開示と透明性を求めており、個人投資家が、機関投資家が現在顧問弁護士とともに解決に努めているのと同じ開示上の疑問を投げかけていることを示している。

こうした圧力は、開示情報をほぼ瞬時に分析して反応できる市場の存在と交差しており、企業が書類を公表した後に軌道修正を図る余地はほとんど残されていない。

同時に、取引審査におけるAIの使用をめぐる法的および運用上のリスクも激化している。SEC(米証券取引委員会)への提出書類や取引文書におけるAIの使用に関する最近のクライアントアラート(注意喚起)の中で、法律事務所リード・スミス(Reed Smith)の弁護士らは、未承認のAIプラットフォームに機密性の高い開示情報をアップロードすることは、重大な法的リスクをもたらすと警告した。彼らは、安易なAIの使用が、重要な未公開情報(MNPI)の漏洩によるフェアディスクロージャー規則(Regulation FD)違反を引き起こしたり、弁護士とクライアント間の秘匿特権の放棄につながったり、サーベンス・オクスリー法(SOX法)に基づく開示統制の不備を露呈させたりする可能性があると指摘している。

「今日の公開企業は、ビジネスのあらゆる領域における対応力と柔軟性を高めるためにAI機能の進歩を活用しており、法務部門もそのパラダイムと無縁ではなく、無縁であるべきでもない」と、リード・スミスのキャピタル・マーケッツ&コーポレート・ガバナンス・グループの米国共同代表であり、同事務所のオン・チェーン:暗号資産&デジタル資産グループのメンバーでもあるリンウッド・E・ラインハルト氏は話す。「SEC報告から受託者責任のリスクにいたるまで、監視はもはや事後対応では処理できない。上場後も価値を維持できる企業とは、上場当初からAIネイティブであり、AIガバナンス、開示統制、および規制リスクを公開企業の設計そのものに直接組み込んでいる企業だろう。私たちは、そのプロセスを支援してほしいという非常に大きな需要を目の当たりにしている」

(開示事項:上記で言及された消費者意識調査は、筆者の会社であるプロスパー・インサイツ&アナリティクスによって実施された。これは全米小売業協会(NRF)が使用しているものと同じデータセットであり、経済ベンチマーク用としてアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、データブリックス(Databricks)、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)からも提供されている。)

forbes.com 原文

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