AIに関して、Z世代は本来、自然な優位性を持っていると見なされている。テクノロジーとともに育ち、それを試すことに抵抗がなく、過去の仕事のやり方を何十年分も学び直す必要がないからだ。
だからこそ、KPMGが最近実施した調査のある結果が目を引いた。
KPMGは7月、同社のサマーインターン906人を対象に調査を実施した。そのうち99%がZ世代だ。43%が最大の懸念として挙げたのは、AIによって批判的思考力が損なわれる可能性だった。
しかも、これらのインターンはすでにAIをかなり活用している。64%は、AIが自分の課題の4分の1超に関わっていると回答し、75%はAIによって職場での自信が高まったと答えた。また88%は、AIを効果的に使う点で自分たちの世代が先行していると考えている。
それでも、今後5年間で新入社員を差別化するスキルは何かと問われたとき、最上位に来たのは批判的思考だった。
AIが初心者の仕事を担うと何が起きるのか
AIは現在、キャリア初期の仕事の相当部分をこなせる。数秒で初稿を作成したり、かつて若手社員が何時間もかけていたデータ分析を行ったりできる。
生産性の向上は明らかだ。しかし、AIが肩代わりする仕事の中には、人が仕事に熟達するための経験そのものも含まれているかもしれない。
人が従来どのように職業を学んできたかを考えてみてほしい。初稿を書く。スプレッドシートを作る。データを分析する。プレゼン資料を準備する。何かを間違える。そして、経験豊富な先輩から何を見落としたかを教えてもらう。
時間が経つにつれ、そうした点に自分で気づけるようになる。どの数字が不自然か、クライアントがどの質問をしてきそうか、どの主張が説得力を持つように見えて実は成り立たないのかを学んでいく。
100個の財務モデルを構築することで仕事を覚えるアナリストを想像してほしい。101個目のモデルに取り組む頃には、何かがおかしいと直感的に察知できるようになる。だが、最初の100個をAIが作ったらどうなるのか。
ここに、AI時代の徒弟制の問題が生じる。初心者の生産性を高めるテクノロジーが、専門家になるために必要な経験の一部を取り除いてしまう可能性があるのだ。
Z世代は今なお「人から学びたい」
インターンシップ中に最も価値のある学び方は何だったかを尋ねると、57%が直接的なコーチングを選んだ。AI支援による学習はわずか3%で最下位だった。
また59%は、AI主導の職場ではマネジャーやメンターの重要性が高まると答えた。大学は学生を仕事に向けてどう準備させるべきかを尋ねると、最も多かった答えは、より実践的で現実の業務に即した経験だった。
職業上の判断力は、経験豊富な同僚が懐疑的なクライアントにどう対応するかを見たり、自分のプレゼンの冒頭が誰かによって書き直されるのを見たりする中で育つことが多い。
「反復練習」を失わずにAIを使う方法
若手社員はAIを避けるべきではない。ただし、いつ使うかについては、より意図的であるべきだ。
たとえば分析にAIを使う前に、まず自分なりの仮説を立てることができる。AIにメモの草案を書かせる前に論点を考え抜き、AIの提案を見る前に自分なら何を勧めるかを決めておくのだ。
そのうえで、何を見落としているのか、推論のどこが弱いのか、別の結論を示す証拠にはどのようなものがあり得るのかをAIに尋ねることができる。
従業員はまた、難しい会議に同席し、答えが明白でない状況で経験豊富な同僚がどのように意思決定するかを見ることでも学べる。そうした経験は、AIからすぐに答えを得るより時間がかかるが、プロとしての判断力を養う上で重要なプロセスだ。
マネジャーにできること
マネジャーは、従業員が学ぶために自分自身で行わなければならない業務は何かを判断する必要がある。
若手アナリストが財務モデルを構築する場面を考えてみよう。AIによって4時間の作業が20分に短縮されるかもしれない。しかし、モデル構築を通じてアナリストがミスに気づき、数値を理解し、最終的に健全な判断を下せるようになるのだとすれば、その作業全体をAIに任せることには代償が伴う。
多くの定型業務は、学びを大きく損なうことなく自動化できる。しかし、その仕事自体が判断力を育てる場合、マネジャーはその練習の一部を残しておく必要がある。
AIが最初の100個のモデル、草案、分析を担うなら、かつてそれらを自分で行うことで身についた勘を、若手社員がどのように獲得するのかを、誰かが説明しなければならない。



