経営・戦略

2026.09.14 08:21

企業は管理職を、従業員が最も信頼する情報源に育てるべきだ

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従業員に、重要な社内ニュースを全社メール、経営幹部、直属のマネジャーのどれから聞きたいかを尋ねると、答えは一貫している。人々は、経営幹部や社内ポータル(イントラネット)、タウンホールミーティング(全社集会)、全社向けの告知よりも、自分のマネジャーから直接聞くことを望んでいるのだ。

エデルマン(Edelman)の調査もこの事実を裏付けている。大半の従業員にとって、組織内で最も信頼できる情報伝達者は同僚や直属のマネジャーであり、CEOや人事部門のリーダーが影響力を持つのは経営幹部に対してであって、従業員全体に対してではない。信頼はすでにそこにあるが、多くの場合、能力が伴っていない。

「信頼されている」からといって「準備ができている」とは限らない

Firstupでは、従業員体験とコミュニケーションに関する数多くの調査を実施してきた。当社の2026年版「北米における従業員エンゲージメントの現状」レポートによると、自分のチームが理解し行動に移せる形でコミュニケーションできていると強く自信を持っているマネジャーは、わずか29%にとどまった。これは、信頼されるコミュニケーターとして成功するために必要な研修、文脈、ツールを、マネジャーが十分に与えられていないことを示している。

組織は、マネジャーに採用やコーチング、人事評価の実施方法を教えることには多額の投資を行う。しかし、コミュニケーションに同等の投資がなされることはめったにない。コミュニケーションこそが、マネジャーの他のすべてのスキルを機能させる仕組みであるにもかかわらずだ。結局のところ、いくらコーチングが優れていても、コミュニケーションが拙ければ、やはり信頼を失い、混乱を招くことになる。

全社コミュニケーションとマネジャーのコミュニケーションは異なる問題を解決する

多くの組織は、コミュニケーションを単なる「配信」の問題として扱っている。つまり、経営陣がマネジャーにメッセージを伝えれば、あとは自然に解決すると考えているのだ。しかし、実際はそうはいかない。

全社コミュニケーションは、一貫性と規模(スケール)を生み出す。これによって、全員がほぼ同時に同じメッセージを受け取ることが保証される。一方、マネジャーのコミュニケーションは、そのメッセージが従業員自身の業務にとって具体的に何を意味するのかを理解させることで、「関連性(自分事化)」を生み出す。端的に言えば、経営陣は意思決定を説明し、マネジャーはその決定がもたらす影響を説明するのだ。

規模だけでは理解は生まれず、スライド資料やトークスクリプトだけではそのギャップを埋めることはできない。変化が近づいているとき、マネジャーには適切な背景情報(コンテキスト)や、チームから寄せられそうな質問の予測、そして自分が部下に回答を求められる前に疑問を解消できる場が必要だ。それがなければ、彼らは自分のチームの前でぶっつけ本番の即興対応を強いられることになる。

認知していることと理解していることは違う

リーダーたちから、同じような不満をよく耳にする。「これは何度も伝えたはずだ。なぜまだ質問が出るのか。なぜ求めたことを実行していないのか」。その答えは、コミュニケーションの成否は送信した回数では測れない、ということだ。

人は、メールをもう1通受け取ったからといって行動を変えることはめったにない。信頼する誰かが、その情報が自分の優先事項、ワークフロー、日々の仕事にとって何を意味するのかを理解する手助けをしたときに、人は変わる。理解が築かれるのは通知ではなく、対話の中である。

マネジャーのコミュニケーションが、単なる従業員体験(EX)の施策にとどまらず、根本的な「マネジメント能力」であるのもそのためだ。変革に向けた取り組みが現場で決まって頓挫するのは、マネジャーが背景情報を得ていなかったり、その根拠を完全に理解していなかったり、あるいは現場で耳にした声を経営陣にフィードバックする手段がなかったりするからである。

コミュニケーション不全がもたらす代償

その影響は、従業員の感情的な不満にとどまらない。

例えば、当社の「製造業におけるコミュニケーション危機」レポートでは、工場の現場で働く従業員の77%が、経営陣からのコミュニケーション不全が燃え尽き症候群やエンゲージメントの低下、チームワークの崩壊を招いたと回答している。その摩擦には大きな代償が伴う。離職に関するUKGの調査によると、スキルを持つ現場労働者1人を補充するコストは2万ドル(約308万円)から4万ドル(約616万円)に上る。つまり、コミュニケーションの失敗は単なる文化的な課題ではなく、事業運営上の課題でもある。

当社の「2026年版看護師コミュニケーションの現状レポート」でも同様の結果が示された。調査対象となった看護師の81%が、マネジャーや上級リーダーからのコミュニケーション不全によって、職場で実害が生じたと答えている。実際、それによって看護師のおよそ5人に1人が、看護職を完全に辞めることを考えるに至った。「2026年版NSI全国ヘルスケア定着・登録看護師(RN)人材配置レポート」は、その離職が実際にもたらすコストを数値化している。退職するRN1人あたり6万90ドル(約926万円)、平均的な病院では年間最大620万ドル(約9億5500万円)に達する。

これらの数字はすべて、最も重要だった瞬間に、明確なコミュニケーションを行うために必要なものを与えられていなかったマネジャーという、同一の根本原因に行き着く。

マネジャーをサポートする具体的な方法

コミュニケーションの問題は、マネジャーの能力不足や努力不足によるものであることはめったにない。単に適切なサポートを必要としているだけなのだ。マネジャーを信頼に足るコミュニケーターとして訓練する際の、主なポイントは以下の通りである。

• 単に変化を伝達するだけでなく、その変化を後押しできるよう、マネジャーのチームに特化した事前通知と背景情報を提供する。

• チームへの回答を求められる前に、マネジャー自身が疑問を解消できるフォーラム(意見交換の場)を設ける。

• チームから上がっている声を、マネジャーが吸い上げて報告できる体系的なチャネルを構築する。

• 重要な会話が後手に回るのではなく、意図的に行われるよう、一貫したコミュニケーションの頻度(リズム)を設定する。

• 単にメッセージが届いたかどうかだけでなく、従業員がそれを理解し行動に移したかどうかをマネジャーが把握できるようにする。

従業員は、職場で起きていることを理解するために、すでに自分のマネジャーを信頼している。次回の組織再編や製品ローンチ、あるいは制度変更を行う前に、マネジャーにスライド資料以上のものを与えてほしい。情報を理解へと変えるために必要な背景情報、自信、および双方向のコミュニケーションを提供するべきだ。

forbes.com 原文

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