AI開発企業アンソロピック(Anthropic)のCEO、ダリオ・アモデイは、AI業界について「この技術にリスクがあるという事実を巡り、人々に嘘をついてきた」と述べた。発言は米国時間2026年9月13日に放送されたCBSの番組「CBSサンデー・モーニング」で出た。アモデイは前日の9月12日、AI開発の速度を落とすよう求める論考を発表しており、他の有力なテック業界の億万長者らもすぐに賛同した。
アモデイはAI開発の速度を抑え、第三者によるモデル検査を求める
CBSニュースの上級ビジネス・テクノロジー担当記者ジョー・リン・ケントとのインタビューで、アモデイはAI技術が「指数関数的」な速度で進歩していると述べた。進歩が実際にこれほど速くなった場合に何が起きるのかについて、自分自身も「十分には理解できていなかった」と認めた。
アモデイはAI企業に対し、技術進歩の速度を「抑える」よう求めた。新しいモデルは、食品検査官になぞらえた第三者の評価機関が検査すべきだとも主張した。
AI企業を規制する法案についても言及した。バーニー・サンダース上院議員とグレッグ・カサー下院議員が提案した人工超知能(ASI)の禁止について、アモデイはただちに支持する考えを示さなかった。
テッド・リュー下院議員とナサニエル・モラン下院議員が提案した、AIシステムを緊急停止できる「キルスイッチ」については、「良い考えになり得る」と述べた。
AI技術を政府へ引き渡す意思があるかと尋ねられると、アモデイは「適切な複数政府による枠組みになら」と答えた。「単独の企業と同じように、単独の政府もこの技術を悪用する可能性があることを懸念している」と説明した。
自社技術そのものを「引き渡す」ことについては確信が持てないとしながらも、民主的に選ばれた政府が「何らかの監督、何らかの共同統治」に関与することには賛成すると述べた。
「AI業界はリスクについて人々に嘘をついてきた」と語る
「あなたに嘘はつかない。本当の危険がある」とアモデイは語った。「そして私は、あまりにも長い間、この技術にリスクがあるという事実について、業界が人々に嘘をついてきたと思っている」。
ただし、AIの全面禁止には賛成しないとした。中国や他の「権威主義国家」も同じ技術を開発しているためだという。
AIには、何千年にもわたって人類を苦しめてきた病気を「治す」可能性があるとも述べた。同時に、一般市民に「大きなリスク」をもたらす可能性もあると指摘した。
「私の考えでは、この技術を民間企業が作っていること自体が、ずっと非常に奇妙だった。なぜ政府がこれを作っていないのかと、いつも聞かれる。最も奇妙なのは、私もそう尋ねる人たちに同意していることだ。私自身、居心地の悪さを感じている」。
アモデイの純資産は約2兆3560億円、世界193位と推定
フォーブスは、アモデイの純資産を155億ドル(約2兆3560億円)と推定している。世界の富豪では193位に相当する。



