中小企業を対象とする代理店を経営しているなら、このような電話にはおそらく聞き覚えがあるだろう。「リード(見込み客)は増え、リード獲得単価は下がっている。それでもクライアントは『どうも効果が実感できない』という理由で、予算の削減を口にする」というものだ。
その瞬間に働く本能は、たいていキャンペーンを擁護することだ。ダッシュボードを開き、ターゲティングを説明し、トレンドラインを示す。しかしその本能は、多くの場合、間違った問題に向けられている。広告キャンペーンは往々にして、期待どおりの働きをしている。問題は、リードがクライアントの受信箱に届いた後に起きているのだが、それはまったく別の話であり、たいていの代理店はその領域に踏み込む機会を与えられない。
企業の平均的なリード対応時間についてネットで検索すると、情報源によって異なる数値が出てくる。1000のBtoB(企業間取引)企業のウェブサイトにデモのリクエストを送信する実験では、返答までの平均待ち時間は29時間だった。さらに、63%の企業は一切返答をしなかった。
リードが到着してから、実際にその対応が開始されるまでの「ギャップ」。これこそが、いかなるターゲティングのミスよりも、多くのマーケティング予算が静かに消え去っている場所だと筆者は考えている。ただ、メディアレポートを分析するのと同じような厳しさで自社の対応時間を監査する者は誰もいないため、それが適切な原因として非難されることはない。
誰も責任を持たないファネルの領域
多くの場合、代理店の仕事は機能的には「適格なリード(質の高い見込み客)」を獲得した時点で終了する。その後に何が起こるか(誰が、どれくらい早く対応するのか、出られなかった電話に折り返すのかなど)は、完全にクライアントの社内事情であり、多くの場合、明確な担当者もいなければ、明文化された基準もない。私の経験では、代理店がこのプロセスについて尋ねることはめったにない。なぜなら、それはマーケティングではなく、他社の「業務運営(オペレーション)」のように感じられるからだ。
その躊躇の代償は大きい。最近のある分析によると、成果への不満が、現在クライアントが代理店を解約する最大の理由になっている。リードが適切なタイミングで届かなかったクライアントは、それを自社の受付の失敗ではなく、キャンペーンの失敗として捉える。なぜなら彼らの視点からは、広告システム全体の中で目に見えるのは「広告」だけだからだ。
だからといって、自分が原因ではないことの責任を受け入れるべきだと言っているのではない。そのギャップを測定しないまま放置するのをやめるべきだということだ。クライアントの維持率を最も長く保っている代理店は、クリック率やリード獲得単価と同じように、リード対応時間を関係性の中に組み込んでいる。それは双方が確認する「共有された数値」であり、アカウント(契約)がすでに危機に瀕したときに初めて代理店が知るような「クライアントの秘密」ではないのだ。
盲点をリテンションの武器に変える
実務において、これには新しいサービスや人員の増加は必要ない。必要なのは、1つの習慣だ。それは、あなたが獲得したリードに対して、クライアントのチームが実際にどれだけ迅速に連絡を取っているかを追跡し、通常ならメディアプランを擁護するはずのミーティングにその数値を持ち込むことだ。
代理店が「先月は40件の適格なリードを獲得しましたが、当社の追跡調査によると、1時間以内に連絡が取られたのはわずか12件でした」と伝えるのは、言い訳をしているのではない。実質的にキャンペーンのパフォーマンスが上がらなかった本当の理由をクライアントに提示しているのだ。それも、クライアントが「代理店に問題がある」というより悪い結論に達する前に、である。
この会話は、代理店の立場を完全に変える。物事がうまくいっていないという漠然とした感覚に対してメディアプランを擁護するのではなく、代理店は、解決可能で具体的な業務上のギャップを診断する存在になる。そして、それはクライアントが自分自身では決して見つけられなかったものだ。なぜなら、クライアントの社内には、フォーム送信から最初の接触までのタイムスタンプを確認している者など誰もいないからだ。
クライアントが、本当の問題を発見してくれたパートナーを切ることはめったにない。彼らが切るのは、「自社のビジネスを十分に理解していない」と判断したパートナーだ。そして、クライアントが問題を提起する前にこちらからそれを指摘すること以上に、理解の深さを素早く示せる方法はない。
次回のクライアントとのレビューの前に、解約リスクの最も高い10個のアカウントについて、大まかでも構わないので対応時間のデータを抽出してみてほしい。それは不在着信、フォーム送信から連絡までの時間、あるいはクライアントの顧客関係管理(CRM)システムや電話システムから得られるあらゆるデータが対象となる。
もし対応時間が遅いのであれば、それは謝罪すべきメディアの問題ではない。アカウントを維持するために、最も簡単でコストのかからない解決策を手にしたことになる。それに必要なのは、キャンペーンの枠を超えて、多くの代理店が長年「自分たちの領域ではない」と見ない振りをしてきたファネルの部分に目を向ける覚悟だけだ。



