将来の金星探査ミッションでの観測調査に期待
現在、米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)がそれぞれ金星探査ミッションの準備を進めており、金星への関心は高まっている。今回のシミュレーションを行った研究者らも、2030年代初頭に打ち上げ予定のESAの「EnVision(エンビジョン)」計画に参加している。このミッションでは金星の内部構造から上層大気までを包括的に観測調査することを目指しており、今回のシミュレーション結果は、探査機が詳細な調査を行う候補地として地殻活動が継続している可能性のある地溝帯を特定するのに役立ちそうだ。
金星の地殻変動について解明することは、太陽系だけでなく系外の岩石質惑星の形成・進化をより深く理解するうえで極めて重要となる。
金星は今、地球に接近中
現在、金星は地球に接近しつつあり、これに伴って三日月状に欠けている。日没後の西の空に輝く「宵の明星」として明るさを増しており、9月19日に最大光度を迎える。地球に近づくほど光っている部分の形状が細くなるのは、金星が地球よりも内側を公転している内惑星だからだ。22日以降はますます陰の部分が大きくなり、明るさは弱まっていく。
10月24日には太陽と地球の間に位置する「内合」となり、太陽光のまぶしさの中に隠れてしまうが、その後は一転、夜明け前の空に今度は逆向きの三日月状の姿を現し、「明けの明星」として明るく輝くことになる。


