北米

2026.09.14 11:30

トランプ米大統領、世界の重要鉱物を牛耳る中国との首脳会談で何を引き出せるか

中国の首都北京で式典に出席した同国の習近平国家主席(右)と米国のドナルド・トランプ大統領。2026年5月14日撮影(Alex Wong/Getty Images)

中国の首都北京で式典に出席した同国の習近平国家主席(右)と米国のドナルド・トランプ大統領。2026年5月14日撮影(Alex Wong/Getty Images)

米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席は24日、米ホワイトハウスで会談する。この会談は、世界のエネルギー転換の行方やエネルギー覇権を巡る地経学的な争いの構図を大きく変えるか、あるいは単にその実態を浮き彫りにするだけで終わるかもしれない。会談の成功に対する期待は薄いものの、習主席は異例の規模となる企業の代表団を伴って訪米する予定で、実務的な経済協議を行う姿勢を見せている。議題には、台湾、国防、貿易、関税に加え、重要鉱物やエネルギーといった、対立が激化しかねない数多くの重要な問題が含まれている。

中国の産業の過剰生産能力や関税といった一部の問題については、双方が譲歩しない姿勢を崩さず、行き詰まり状態に陥る可能性が高いとはいえ、会談が失敗に終わると決まったわけではない。エネルギーや重要鉱物の精製過程は国際的に広がっており、環境対策という共通の動機も存在する。もし何らかの進展が見られるとすれば、こうした分野である可能性が高い。

重要鉱物を巡る中国の支配的地位

重要鉱物は軍事装備やエネルギー転換、人工知能(AI)、超伝導体、半導体のほか、想像し得るほぼ全てのハイテク製品の基盤となる。中国は重要鉱物の精製で世界的な独占状態にある。

この支配的地位は、中国に莫大な利益をもたらしてきた。国際エネルギー機関(IEA)によると、こうした独占体制により、西側諸国の企業が抱える約6兆5000億ドル(約990兆円)の資産が危険にさらされている。この独占構造は目先の利益にとどまらず、あらゆる種類の中国メーカーに下流工程での優位性をもたらしている。精製を国内で行うことで投入費用を削減し、材料科学分野の技術革新を促進するほか、事業計画における供給上の制約も解消される。その結果、例えば中国の電気自動車(EV)メーカーは、人件費の差を考慮に入れたとしても、より安価で高品質な製品を製造できるのだ。

こうした利益だけでなく、重要鉱物を巡る支配的地位は中国に圧倒的な交渉力を与えており、米国にとっては痛手となっている。両国関係が冷え込む中、中国は米国への鉱物や精製技術の輸出を繰り返し制限してきた。この交渉力が持つ価値は計り知れないものの、中国はそれを軽率に利用しないよう注意しなければならない。供給を制限すれば、いずれは代替的な供給網の構築を促すことになるからだ。中国は自国の供給網の信頼性を損なうことなく、圧力をかける必要がある。これには巧みな手腕だけでなく、何よりも適切な時期を見極める力が求められる。

中国が仕掛ける「オクトーバーサプライズ」

鉱山開発は通常、数十年単位で計画され、大規模かつ安定した生産を見込めるものの、生産量の拡大には時間を要する。巨額の投資を行っても、この状況を直ちに改善することはできない。その結果、市場の供給や輸出に急激な変化が生じると、長期的な生産体制に甚大な影響が及ぶことになる。

中国の独占状態を打破、あるいは少なくとも緩和しようとする米国内の取り組みは停滞している。その理由は、許認可手続きの複雑さといった、米国特有の障壁が依然として立ちはだかっているためだ。米国防総省の調達部門は軍事上の権限を行使することで、この問題の解決を図ろうとしている。同省は既に重要鉱物に数十億ドル規模の投資を行ってきた。これにより、米国の軍事物資の供給基盤は強化されたが、鉱物資源を巡る対外依存の解消に向けた動きは遅々として進んでいない。

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翻訳・編集=安藤清香

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