北米

2026.09.14 11:30

トランプ米大統領、世界の重要鉱物を牛耳る中国との首脳会談で何を引き出せるか

中国の首都北京で式典に出席した同国の習近平国家主席(右)と米国のドナルド・トランプ大統領。2026年5月14日撮影(Alex Wong/Getty Images)

トランプ大統領就任直後の昨年2月、中国は新たな輸出規制を発表した。このタイミングは、米国のエネルギー関連投資に冷や水を浴びせるとともに、トランプ大統領のエネルギー分野に対する緊急措置の効力を弱めることとなった。中国は同年10月、さらに厳格な規制を発表したが、その2カ月後、新たな規制の適用を一時的に停止した。この一時停止措置は、今月下旬に予定されている米中首脳会談のわずか2週間後に期限を迎える。これは偶然ではない。中国は、米国の中間選挙直前にトランプ政権に対して「オクトーバーサプライズ(訳注:通常は米大統領選挙直前の10月に起こる異例の出来事を指す)」を仕掛けることを公然とほのめかしているのだ。

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米国内の取り組みの遅々とした進展や迫りくる政治日程を考えると、米中首脳会談での誘惑は明白だ。輸出規制の一時停止期間を延長し、農産物の輸入を確定させ、レアアース(希土類)を巡る問題は解決済みだと再び宣言し、決着を来年に先送りする。トランプ大統領は、1週間程度は世論調査で好評価を得るだろう。だが、それは最悪の結果でもある。毎年のように先送りを繰り返しても、米国の戦略的な弱みは軽減されない。むしろ、それは中国の意向に左右される「定期契約」のような状態となり、供給網の多角化を目指す米国の努力を損なうことになる。

激化する世界の鉱物資源争奪戦

重要鉱物は極めて特殊な経済的特性を持つ世界的な独占状態を形成しているため、来たる米中首脳会談では、この分野に関連する協議がこれまで以上に注目されることになるだろう。これは単なる理論上の話ではない。重要鉱物を巡る競争は既に世界規模で展開されており、これまでも微妙な信号や時期の変動が波紋を広げてきたからだ。世界にはその実例が数多く存在する。

こうした信号がとりわけ重要視される背景には、中国による重要鉱物の独占に対抗する米国が「採掘優先」戦略を取っている事情がある。この戦略は、米国内の精製施設への直接投資によって中国の独占を打ち破ろうとするのは無策であるという考えに基づいている。むしろ、米国が目指すべきは、多種多様な鉱物資源の供給量を世界的に増やすことだ。精製製品に対して鉱石価格が下落すれば、現地での精製を促す経済的な動機が生まれる。これは付加価値連鎖の上流へと移行し、工業化を進めることになるため、発展途上国が望んでいることでもある。米国にとって必要なのは、中国の生産シェアを奪い取ることではなく、それを分散させることだ。この戦略は中国を困難な立場に追い込むことになる。同国はマクロ経済の潮流に逆らいながら、多くの国の利益に反する形で世界的な独占体制を維持しなければならなくなるからだ。

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アフリカのコンゴ民主共和国やルワンダでは、多様な要因や利害が絡み合い、対立する勢力が入り乱れる複雑な紛争の文脈に、重要鉱物に関する枠組みが組み込まれる形となっている。ウクライナでも、ロシアによる軍事侵攻と交錯する形で数多くの重要鉱物に関する協定が結ばれており、これが紛争の利害関係を再定義する一因となっている。こうした地域では、小規模な軍事作戦が不釣り合いなほど大きな結果をもたらすことがある。

さらに南方に目を向けると、アフリカ内陸部の豊かな鉱山地帯と輸出に活用できる沿岸部を結ぶ「ロビト回廊」計画が、アフリカにおける米中競争の焦点となっている。ユーラシア大陸では、中央アジアの複数の国が重要鉱物への投資に初期段階から参画することを目指している。ここでは投資政策のわずかな変更が決定的な違いを生むことになる。

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翻訳・編集=安藤清香

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