欧州

2026.09.14 08:00

「サイバーパンク・ウォー」 ウクライナは米国製兵器をどのように転用しているのか

米国製の空対地ミサイル「AGM-114Lヘルファイア」などを転用したウクライナの防空システム「STASH」が、ロシア軍のシャヘド型自爆ドローン(無人機)を迎撃する様子。ウクライナ空軍第208対空ミサイル旅団が公開した動画から

薬莢や装薬を含む砲弾一式の重量は約23kgで、そのうち実際に飛翔していく弾体の重量は約11kgだ。ドローン用の爆弾として使うために取り出されているのはこの部分である。

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「われわれはこれを少しばかり改造します。すると、それは『客人』たちに幸せと喜びをもたらすものになります」とこのウクライナ兵は語っている。

11kgはFPVドローンには重すぎるものの、重爆撃ドローンにはちょうどいい。M830A1のような成形炸薬弾は400mmを超える厚さの鋼板を貫通できるため、最も重装甲の戦車であっても、上部の薄い装甲を突き抜けることで撃破し得る。

この戦車用砲弾の価格は1発あたり8000ドル(約120万円)かそこらし、一般的なドローン用爆弾に比べると格段に高価だ。半面、こちらのほうがしっかり設計・製造されており、信頼性は高い。そして、攻撃すべき目標があるのなら、弾薬庫に眠らせておくよりも活用するに越したことはない。ウクライナ軍ではほかにも、AT4対戦車弾82mm無反動砲弾、NLAW対戦車ミサイルなどがドローン用の弾薬に転用されていることが確認されている。ドローンは爆弾を必要としており、爆発するものなら何でも役に立つのだ。

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持てるもので、どんなやり方でも戦う

戦車はまだ、完全に時代遅れになったわけではないのかもしれない。それでも、ここで取り上げたようなサイバーパンク的な適応は、従来の対戦車兵器に新たな役割が見いだされていることを示している。ヘルファイアやジャベリン、M830A1は、本来想定されていた用途では影が薄くなっているかもしれないが、なお役立てることができる。

サイバーパンク的な発想とは、手元にあるものについて、それがどこから来たのか、もともとどんな用途が想定されていたのかにとらわれず、使い道を見つけることだ。急速に変化する世界をサバイブしていく鍵は、実績はあっても時代遅れになっている可能性のあるものに固執するのではなく、状況に速やかに適応し、使えるものならどんな技術もどんどん取り入れていく能力にあるのかもしれない。

ウクライナから学ぶということは、たんにその装備を真似ることではない。それは、ウクライナの発想や考え方自体を学ぶということである。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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