欧州

2026.09.14 08:00

「サイバーパンク・ウォー」 ウクライナは米国製兵器をどのように転用しているのか

米国製の空対地ミサイル「AGM-114Lヘルファイア」などを転用したウクライナの防空システム「STASH」が、ロシア軍のシャヘド型自爆ドローン(無人機)を迎撃する様子。ウクライナ空軍第208対空ミサイル旅団が公開した動画から

英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の2022年の報告書によると、ウクライナでは特殊部隊がジャベリンのCLUをミサイルなしで装備した。たいていの部隊は偵察をドローンに頼るが、特殊部隊は敵を肉眼で確認できる距離まで接近するので、CLUはその発見に役立つ。

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CLUの熱画像装置は1990年代の第2世代システムであり、解像度は240×240ピクセルとなっている。この解像度は、消耗可能なFPVドローンに搭載される低コストの第3世代熱画像装置、たとえばウクライナのOdd Systems(オッド・システムズ)社が手がける640×480ピクセルの製品などよりも低い。それでもCLUの熱画像装置には大きな強みがある。

CLUはかさばり、重く、しかも高価だが、それはセンサーに極低温冷却方式を採用していることが理由だ。このセンサーはマイナス約196度まで冷却され、熱画像装置自体が発生させる熱雑音を抑えられるほど低温になる。非冷却式の安価な熱画像装置が感知できる温度差が50mK(ミリケルビン、0.05度)程度なのに対して、CLUの装置の感度はそれよりも少なくとも3倍は高いとみられる。

さらに、低価格のセンサーと異なり、CLUは9倍率のズーム機能も備え、操作員は気になった対象を拡大して見ることが可能だ。CLUの熱画像装置は画像の鮮明さでは劣るかもしれないが、ほかの装置では見逃してしまうような、隠れている人員や装備を発見できる可能性がある。

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数百m先に潜むロシア軍人員を見つけるのに、暗視ゴーグルを使うのではなく、重量6.5kg、価格10万ドルのCLUを持ち運ぶというのは、過剰に思えるかもしれない。だが、これもまた、そのままでは保管庫で死蔵されていた装備が、別の用途で命を救う技術になるという一例だ。「ストリート」がその使い道を見つけたのだ。

エイブラムス戦車用砲弾をドローンが投下する

ある動画では、ウクライナ兵が、米国から供与されたM1エイブラムス戦車の主砲用弾薬である120mm M830A1砲弾を慎重に分解している。エイブラムスの砲弾としては、劣化ウラン製の細長い侵徹体を射出する超高速の「シルバーブレット」ことM829が最も有名だが、M830A1も使用される。この砲弾は速度を頼みにするのではなく、金属噴流(メタルジェット)を目標に撃ち込む成形炸薬弾頭を備える。

ウクライナ軍のエイブラムスは、ロシア軍のドローンを一帯から排除できるような攻勢作戦でもない限り、めったに姿を見せなくなっている。他方、ドローンに搭載する爆弾は緊急に必要とされており、M830A1が分解されているのもそのためだ。おそらく、これらは砲弾としては損傷しているか不具合があるものの、弾頭自体は転用できる状態にあるのだろう。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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