欧州

2026.09.14 08:00

「サイバーパンク・ウォー」 ウクライナは米国製兵器をどのように転用しているのか

米国製の空対地ミサイル「AGM-114Lヘルファイア」などを転用したウクライナの防空システム「STASH」が、ロシア軍のシャヘド型自爆ドローン(無人機)を迎撃する様子。ウクライナ空軍第208対空ミサイル旅団が公開した動画から

STASH」は、AGM-114Lとイスラエルのラダ製レーダーを組み合わせたシステムだ。このレーダーは小型の空中目標の探知・追尾に適した設計になっている。ミサイルの弾頭はおそらく、近接信管を備えた破片弾頭型だろう。このタイプの弾頭であれば、ドローンに直撃しなくても、十分に近づいて炸裂するだけで破壊できる。STASHの設計は、米国のV2X社が提案した「テンペスト」防空システムをベースにしている可能性がある。

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初期型STASHはトレーラーや米フォード・モーターのピックアップトラック「F-350」に搭載された姿で目撃され、いかにもサイバーパンク的だった。ウクライナ空軍第302対空ミサイル旅団によって運用されている最新型は、オランダ製軍用トラック「DAF YA 4442」に搭載されている。

この組み合わせは機能しているようだ。あるSTASH発射機の外装には、シャヘドの撃墜マークが70前後描かれている

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ただ、STASHはドローンを迎撃する手段として効率的とは言えないだろう。ヘルファイアは、撃墜しているシャヘドよりも高価である可能性が高く、迎撃ドローンならその何分の一かのコストで済む。それでも、シャヘドを撃墜しなければ、人命を含め、代償ははるかに大きくなるおそれがある。

決定的に重要な点は、高速のミサイルを備えるSTASHはロシアが使用を増やしている新型のジェットエンジン搭載シャヘドを撃墜可能なことだ。ジェット推進式シャヘドは、従来の電動迎撃ドローンにとっては飛行速度が速すぎる。

ジャベリンの発射装置は超低温冷却の暗視システムに

この戦争の初期、米国はウクライナに対戦車ミサイル「ジャベリン」をおよそ1万発供与した。当時の在庫数の3分の1程度にのぼる数だったもようだ。その補充には何年もかかり、ウクライナに追加供与される可能性も低い。実のところ、1発あたり20万2000ドル(約3070万円)もするジャベリンはいまでは、1機1000ドル(約15万2000円)もしないFPVドローンに射程を上回られるようになっている。

そうなると、ウクライナにはジャベリンのコマンド・ローンチ・ユニット(CLU、管制・発射装置)が手元に残ることになる。ジャベリンの発射管を取り付けて繰り返し使用されるCLUは、高性能なサーマルイメージャー(熱画像装置)を備え、ミサイルなしで単独でも使用できる。実際、過去にはジャベリン運用部隊は普通、ミサイル発射管を取り付けていない状態で、約6.5kgのCLUを用いて目標を捜索し、その後、約16kgの発射管を装着して攻撃していた。CLUは弾薬を外した状態のほうが取り回しがしやすいためだ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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