声さえも重要であるようだ。
男性CEO792人を対象にしたある研究では、声の低いCEOほど、より大きな企業を経営し、より多くの報酬を得て、より長くその地位にとどまる傾向があることが判明した。研究者たちはこれをあくまで「関連性」と表現するにとどめているが、その明確なパターンを見過ごすことはできない。
知能とリーダーシップの調査をここから始めるべき理由は、これらの研究が「誰かがリーダーとして台頭するのに役立つ要素」と「リーダーになった後にその人物を有能にする要素」を区別することを強いるからである。
理由はともあれ(おそらく進化の歴史のどこか深いところに埋もれているのだろう)、私たちは体格が良く、響き渡る声を持つリーダーに対してバイアスを抱いているようだ。しかし、背が高いことや、響き渡る声を持っていること自体が、その人をより優れた戦略家にするわけではない。
重要なプロセスの大部分は、私たちの「認識(パーセプション)」の中で起きているのだ。
また、外部への声だけでなく、リーダーの内面から突き動かすような性格特性についても触れる必要がある
ダーク・トライアド(邪悪な3つの性格特性)
2010年、ネット上で永遠に拡散され続けるような豆知識を生み出した研究があった。
ある研究グループが、企業の管理職育成プログラムに選抜された203人のビジネスパーソンを調査したところ、一般のサンプルよりもサイコパシー(精神病質)的傾向のレベルが高いことが判明した。さらに興味深いことに、これらの特性はカリスマ性やプレゼンテーションスタイルの評価とは正の相関関係にあったが、責任感や業績とは負の相関関係にあった。
この結果は、私たちが経験したことのある不愉快な会議の1つや2つの説明にはなるかもしれないが、ここにはより深い教訓がある。
その後のメタ分析では、自己愛(ナルシシズム)はリーダーシップの創発を正に予測する一方で、リーダーシップの有効性との線形関係は実質的にゼロであることが判明した。適度な自己愛はプラスに働くこともあるが、ある一定のラインを超えると、その誇大性や他者を搾取する傾向がマイナス要因(負債)となる。
これらの特性には、人々をステップアップさせる何らかの要素がある。エゴや自信、あるいは単に「リーダーになりたい」という強い欲求が、彼らをリーダーの席へと押し上げるのかもしれない。
だが、その席に座って優れたパフォーマンスを発揮できるかは、まったく別の問題である。
そして、いよいよ知能そのものの話になる。


