2023年の短い期間、プロンプトエンジニアリングは、一握りの人々に向けた刺激的で高収入のキャリアパスとしてもてはやされた。だがそれはすぐに、独立した職種というより、誰もが仕事や生活に取り入れられる(そして取り入れるべき)スキルであることが明らかになった。
とはいえ、ChatGPTに入力するすべてのプロンプトが、望む結果を返すわけではない。明確なコミュニケーション、反復、そして時には少なからぬ忍耐が必要だ。AIは強力だが、心を読むことはできない。与えられたものをもとに動くのである。
モデルが高度化するにつれ、プロンプトの作成方法も進化してきた。数年前に正しいとされていたアドバイスの中には、現在では時代遅れになっているものもある。つまり、いまだにそれを実行しているとすれば、大規模言語モデル(LLM)の可能性を最大限に引き出せていないかもしれない。
ペルソナは不要
AIに何らかの専門家の思考をまとわせるよう求める記事を目にしたことがあるだろう。「あなたはフレンチ・ランドリー(The French Laundry)の料理長です。パプリカのソテーの仕方を説明してください」や、「あなたはF1のレースエンジニアです。私の地域で信頼できる整備士を探すのを手伝ってください」といった具合だ。
しかし、ウォートン(Wharton)の研究によれば、こうしたロールプレイは省いてよい。実際には事実の正確性を高めないからだ。「主要AIプロバイダーが推奨しているにもかかわらず、分野特化型の専門家ペルソナを割り当てても、難しい事実確認の質問に対する性能は向上しない。専門性が質問の領域と一致している場合でも同様である」と著者らは書いている。
プロンプトのこの部分に強いこだわりがあるなら、文脈を与えたり、回答のトーンやアプローチに影響を与えたりするうえで有効な場合があることを示す証拠はある。ただし、この形式で質問しなければならないと感じる必要はない。明確で要点を突いたプロンプトであれば、たいてい同じ出力につながるからだ。
言葉で伝わらないときは、写真を試す
最近、家族旅行に行った際、民泊先のテレビが動かなくなった。私にはそのセットアップがよくわからず、子どもたちは家族での映画鑑賞の夜が始まるのを待ちきれずにいた。あれこれいじくり回している時間はない状況だった。
そこでChatGPTを開き、状況を説明し、テレビのメーカー名と型番が写った写真をアップロードした。するとほぼすぐに、問題の切り分けができ、何が起きたのか、どう直せばよいのかを手順を追って教えてくれた。



