北米

2026.09.12 22:23

米国は「発明」を知っている。では「スケール」できるのか

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エネルギー革新は、技術的リーダーシップを産業力へと転換する、より困難な課題を浮き彫りにしている。

解き放たれたプロメテウス

7月、米エネルギー省は、同省の資金提供機会において過去最大規模の反響となった5000件超の応募の中から、ジェネシス・ミッション研究助成の採択先278件を選定した。最大6000万ドル(約92億4000万円)に上る単独で最大の助成は、国立研究所、大学、エヌビディアを含む企業など32のパートナーからなるコンソーシアムプロメテウスに与えられた。同コンソーシアムは、AIソリューションの導入により、原子力エネルギーの導入期間を半減することに注力している。

これらの助成は、2025年11月の大統領令で始動した、より広範な使命を推進するものだ。ジェネシス・ミッションは、原子力、核融合、量子コンピューティング、バイオテクノロジー、先端材料、送電網技術を含む26の国家的な科学技術課題を前進させる計画であり、米連邦政府が米国のイノベーションを次にどこへ集中させるべきだと考えているかを示している。

米国のイノベーションエンジンは、同国の最大級の戦略的優位の一つに数えられる。その優位を経済的リーダーシップへと転換するには、もう一つの成果が必要だ。すなわち、画期的技術を最速でスケールさせ、それらが生み出すグローバル市場を獲得する産業を築くことである。ジェネシス・ミッションは、米国が大規模にアイデアを生み出せることを証明している。より難しい試練は、その次に何が起こるかだ。

クリーンエネルギーのフロンティア

エネルギーシステムの多くは、数十年前に技術的成熟に達した。石炭火力発電所、内燃機関、従来型の石油掘削装置の中核的な工学は、前世紀にさかのぼる。一方、フロンティアは様相が異なる。小型モジュール炉や次世代原子炉、核融合、強化地熱、炭素回収を組み合わせたガス、送電網規模の蓄電が、今日のエネルギー分野における技術進歩の最大の機会となっている。

AIは、そのフロンティアの重要性を加速させている。データセンターはすでに米国の発電量の4〜5%を消費しており、その比率は10年の終わりまでに2倍超になると見込まれている。豊富で信頼性が高く、ますます低コストな電力を供給できる国は、AI、先端製造、ロボティクス、そしてその上に築かれるその他の戦略産業全体で、複利的に増大する優位を得る。

したがって、エネルギー革新は、より広範なイノベーション経済にとってのフォースマルチプライヤーとなっている。エネルギーのリーダーシップがテクノロジーのリーダーシップを支えるますます中心的な基盤になる中で、米国のエネルギー革新システムは、特に、世界的な力を維持する競争における重要な戦略的資産である。

国内の強さが世界への広がりを生む

米国の経済力は、豊富な人材と資本、強固な制度、国際的な影響力に至るまで、多くの戦略的強みを源泉としている。こうした強みを背景に、新たな技術と新たな事業を繰り返し生み出す同国の能力は、他国にとって今なお模倣が難しい。

このエコシステムは米国外にも広がっている。例えば6月には、日本がジェネシス・ミッション初の国際パートナーとなり、量子情報科学、核融合エネルギー、バイオテクノロジー、先端材料にまたがる米国側の同額投資に合わせ、5億ドル(約770億円)を拠出することを約束した。このようなパートナーシップは、米国の市場が外部資本を引きつけるほど魅力的であることを示している。そして、人材と専門知識を引きつける米国の能力も、少なくとも同じくらい重要である。

米国は、ほとんどの国が対抗できないイノベーション上の比較優位を持っており、そのエネルギー戦略は今後もその優位を活用すべきだ。発明の先に続く未解決の問いは、初期段階のブレークスルーをいかに集中させ、深化させ、拡大するかである。

発明から産業化へ

発明と産業化は異なる成果であり、経済的価値の大半が生まれるのは後者である。技術は研究室で機能しても、産業規模に到達できないことがある。コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)は、この道のりを慎重に進む企業の一例である。

同社の高温超伝導磁石は、実証炉SPARCを支える中核的な実現技術だ。SPARCは、2027年までに正味エネルギー(反応自体が必要とする以上のエネルギーを生み出すこと)を生産することを目標としている。CFSは最初の炉に至る道程で、フルスケールの炉とは別の取り組みとして、超伝導磁石だけを大規模に製造できる工場の建設に7年と数億ドルを費やした。この製造能力は、それ自体が資産となっている。SPARCはまだ建設中だが、CFSは現在、競合する核融合開発企業2社であるRealta Fusionとウィスコンシン大学のWHAM実験を含む買い手に磁石を販売しており、同社の工場は、炉が電力を生み出す何年も前に収益源となっている。

CFSは、成功する革新的企業が、技術的専門性と並行して事業を構築することを学ばなければならないことを示している。そこでは、中核となる発明そのものとは別に、商業的・産業的な知見が必要となる。CFSの磁石販売による収益は、その知見が機能している証拠である。同じパターンは、産業全体の規模でも当てはまる。技術的強みに見合う経済的強さを築くには、広範な能力とシステムレベルの取り組みが必要だ。

戦略的課題としての商業化

国がグローバルに競争力のある産業をスケールさせるには何が必要なのか。製造能力、サプライチェーン、熟練労働力、許認可、インフラ、顧客、安定したルールの全体が相互に補強し合うことである。国に十分な活動量が生まれれば、経験が蓄積し、サプライヤーが近隣に集まり、労働者が専門技能を身につけ、プロジェクトの進行が速まり、コストが下がり、資金調達がより安くなり、顧客はより安心して採用できるようになる。これが初期の優位を産業上のロックインへと変える仕組みであり、技術を発明した国が、それを産業化する国になるとは限らない理由でもある。あまりにも多くの場合、社会の関心は最初の一歩で止まってしまう。

太陽光発電は、そのロックインが機能する場合としない場合の姿を示している。ベル研究所は1954年、現代のシリコン太陽電池を発明した。これは真に米国発のブレークスルーであり、ニューヨーク・タイムズは1面で、これが「文明の用途のために、太陽のほぼ無限のエネルギー」を利用することになると予測した。それから70年後、IEAは、太陽光サプライチェーンの主要なあらゆる段階において、中国の世界製造シェアが80%を超えると報告している。中国は、システム、資本、工場、サプライヤー、労働者、そして規模を築いた。発明そのものは、それを生んだ国にそうしたものを保証しなかったのである。

地域の条件と国家目標

どの国も、同じ産業化の課題に何らかの形で直面している。技術的ブレークスルーは世界を移動するが、産業がどこでスケールし、誰が経済的価値を獲得するかを決めるのは地域のエコシステムである。資金調達、許認可、労働力、社会的支持といったボトムアップの条件は、トップダウンの戦略と結びつくよう設計されなければならない。そうでなければ、国家的な野心は地域レベルで停滞する。

世界最大級の延べ床面積を持つ建物の一つとして構想され、米国が国内バッテリーサプライチェーンを構築する取り組みの中核をなすテスラのギガファクトリーは、その点を端的に示している。2014年、ネバダ州はタホ・リノ工業センターにおいて異例に迅速な許認可と開発プロセスを提示し、テスラがほぼ即座に着工できるようにすることで、カリフォルニア州、テキサス州、アリゾナ州、ニューメキシコ州を抑えた。イーロン・マスク氏は、50億ドル(約7700億円)規模の施設の立地を決めた要因として、許認可の速さと州・地方当局の機動力を挙げた。

地域の支持を勝ち取ることは、許認可競争に勝つことと同じくらい重要である。テスラはインセンティブ契約で求められた範囲を超え、郡のインフラへの負荷を相殺するため、地域の道路、交通、公共安全の改善を支援する資金を拠出した。ストーリー郡当局はこの行動を、良き企業市民として公に評価している。昨年には、ネバダ州のSB69が超党派の支持を得て成立し、10億ドル(約1540億円)規模の税減免を今後受ける企業に対し、そのプロジェクトが生み出す公共サービスやインフラの費用負担を求める権限を、地方政府により明確に与えた。ストーリー郡の経験は、国家戦略が、それを持続させるために現場の条件を整えられるかどうかに依存していることを示している。地域の支持は調整の重要な層であり、受け入れに伴う負荷を引き受ける人々と地域に利益を分かち合うには、能動的な管理が必要である。

国家機関もまた、研究所や大学が科学を生み出し、企業のイノベーターが技術を構築し、民間資本がスケールアップに資金を供給し、行政機関がルールを定めるという順序で動かなければならない。国家戦略のための産業政策が世界的に重要性を高める中で、政府も中心的な役割を担う。ワシントンが戦略産業への資金供給により積極的になるにつれ、資本、技術・許認可政策、国家安全保障上の監督を担う連邦機関は、ますます一つのシステムとして機能する必要がある。

この点で、エネルギー革新に関する政策をどの連邦機関が所管するのかという問いは、米政府内で今なお進行中である。2025年1月以降、連邦機関は戦略企業への直接または準株式持ち分を伴う37件の案件で、約276億ドル(約4兆2500億円)を発表している。エネルギー省、商務省、国防総省、米国際開発金融公社がそれぞれ異なる権限と仕組みを通じて参加し、新エネルギー技術からそれを支える重要鉱物に至るまで、しばしば同じエコシステムに投資している。

省庁間の調整を強め、役割を明確にすれば、エコシステムはより速く動ける。そうでなければ、米国の産業政策ツールキットで最も急速に拡大している手段は、断片化、複雑化、有効性の低下に陥るリスクがある。

火花を炎へ変える

エネルギー省のジェネシス・ミッションで最大の助成を受けたプロメテウスは、神々から火を盗み、人類に与えたギリシャ神話の巨人にちなんで名づけられている。それは発明の創始的行為であり、その先に何が起こるかについて保証はなかった。278件のジェネシス・ミッション助成は、米国の火を象徴している。これらの助成を触媒として生まれる工場、労働力、サプライチェーン、そして最終的な市場シェアが、この発明の時代を産業力の時代へと変えるのか、それともブレークスルーを産業に変えるうえで一貫しない同国の実績に新たな章を加えるだけなのかを決めることになる。

米国は、イノベーション経済であることと産業超大国であることのどちらかを選ぶ必要はない。米国の戦略的課題は、その2つを結びつけることだ。技術を発明する国は機会を得る。その技術に資金を投じ、製造し、大規模に導入する国が未来を獲得する。

forbes.com 原文

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