経営・戦略

2026.09.12 14:41

データとAIで競合に差をつける、「競争優位の堀」の広げ方

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データとAIを駆使し、テクノロジーを活用したB2Bマーケティング企業のCEOとして、私は多くの経営幹部と、AIやデータが成長を牽引するだけでなく、競争上の差別化においても果たす役割について話をしている。経営幹部は、スピードと正確性を向上させるために自社チームにAIツールを導入したいと考えているが、その一方で、すべての競合が同じことをして、結局は全員が同じ地点に行き着く軍拡競争にすぎないのではないかと疑問を抱く人も多い。

私の助言は、競合がチェッカーをしているときにチェスをすることだ。AIは多くの効率化をもたらすが、データと組み合わせることで、単なる時間短縮にとどまらず、時間の経過とともにより大きな成果をもたらす独自の戦略を構築することもできる。

より優れたデータを構成する要素

すべてのデータが同じ価値を持つわけではなく、より優れたデータはより良い成果を生む。まず着手すべきはファーストパーティーデータである。詳細なリード獲得を通じてリアルタイムデータを収集している企業もあれば、古く不完全なファーストパーティーデータしか持たない企業もある。ファーストパーティーデータを頻繁かつ詳細に取得し、特に営業とマーケティングを含む組織全体でデータが流通するようにすることは、企業がより迅速かつ自信を持って動くための強固なデータ基盤をつくる。

サードパーティーデータも重要である。自社データの欠落を補い、理解の深さと広がりを拡大することで、新たなオーディエンス、購買グループ、自社サイト外での行動を特定する助けになるからだ。しかし、Anteriadの調査レポート「2026 B2B Marketing Edge」によると、適切なデータを使っていると確信しているのは、アジャイルなマーケターの57%、マーケター全体では40%にとどまる。

ここにも大きなばらつきがある。サードパーティーデータの中には新しく、コンプライアンスに適合し、クリーンなものもあれば、極めて不透明なものもある。企業はデータパートナーに対してデューデリジェンスを行い、自社の足かせとなり得る低品質なデータソースを排除する必要がある。

より優れたデータを優先することは、単なるベストプラクティスではない。戦略と成功に直接影響するものでもある。Forresterは、「購入プロセスの開始時点で、買い手が明確なベンダー選好を持っていると考えるB2Bマーケティングリーダーはわずか19%」である一方、実際にはB2B購入者の68%が念頭に置いているベンダーを持っていることを明らかにした。見込み客がすでに好みのベンダーを念頭に置いているかどうかを知ることは、営業とマーケティングのメッセージ戦略だけでなく、優先順位付けにも直接影響する。直近のエンゲージメントデータやインテントデータは、この重要な洞察を提供し得るが、現在それを優先している企業はあまりにも少ない。

データをより効果的に活用する

企業が自社のデータに自信を持つほど、そのデータをビジネスの原動力として活用することにも自信を持てるようになる。しかし、優れたデータを持つ企業であっても、それを常に最大限に活用できているわけではない。

静的なデータセットを使って見込み客へのAIによる自動アプローチを行う企業と、直近の行動に基づいて具体的にターゲティングされた動的データを使い、AIでパーソナライズと最適化を行う企業の違いを考えてみてほしい。この2つのプロセスはいずれも質の高いデータを使っているが、一方は時間を節約するだけであり、もう一方は時間を節約しながら成果も高める。

企業が質の高いデータにアクセスできることを確認した後、リーダーは定期的に集まり、そのデータでさらに何ができるかを議論する必要がある。企業は少なくとも年に1回、営業とマーケティングの監査を行い、チームが業務に最適なデータにアクセスし、最新のデータを使用し、可能な限りデータ主導の戦略を慎重に実行していることを確認すべきだ。

また、営業チームとマーケティングチームは、データを活用して目標、優先事項、アウトリーチについて足並みをそろえていることを確認すべきである。これらのチームが同調すればするほど、優れたデータの価値は増幅される。例えば、マーケティングが商談前の段階で購買グループを特定した場合、その購買グループ全体のエンゲージメント状況を営業と共有すべきだ。営業はそれを基に、異なるステークホルダーに対して情報に基づくアプローチを構築できる。

AIからより多くを引き出す

Gartnerによると、「2026年までに、B2B営業組織の65%が、ワークフロー、データ、アナリティクスを統合するテクノロジーを活用し、直感に基づく意思決定からデータ主導の意思決定へ移行する。しかし平均では、セールスイネーブルメント予算のうちテクノロジーに割り当てられているのはわずか22%である」。

これは、企業の目標と予算の間にあるミスマッチの一例である。AIの力を解き放つには、企業は人を中心に据えたアプローチから、人的資本とデータ、AIベースのテクノロジーを結び付けるアプローチへと転換する必要がある。

企業は社内プロセス、営業およびマーケティング戦略、そして顧客とのエンゲージメントを評価し、単なる時間の節約にとどまらない機会を見出すべきである。AIはコストのかかる手作業を削減できるだけでなく、データを分析して成長分野を特定し、時間をかけて最適化することもできる。顧客へのメッセージ送信を単に自動化するだけでなく、データとAIを用いて、長期にわたりメッセージのテストと改善を繰り返すのだ。多くの買い手は営業担当者を介さない購買体験を望んでいるが、高度に自動化された営業プロセスを完成させている企業はほとんどない。AIは、営業担当者が適切な場面で価値を提供する余地を残しつつ、その隙間を埋めるのに役立つ。このプロセスは静的なものではなく、反復的であるべきだ。学習と改善こそが、データ主導型AIの真の秘訣である。

AIの普及により、こうした取り組みはより低コストで実現可能になりつつあるが、それはすべての企業が実行しているという意味ではない。先んじて動く企業が初期のリードを獲得し、時間の経過とともにその差を広げていくことになるだろう。

forbes.com 原文

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