データベース大手のオラクルは、前会計年度に営業利益を4分の1近く増やした。それにもかかわらず、最新の決算発表を目前に控えた9月10日の終値は、1年前に付けた高値からおよそ53%下回る水準だった。
これだけの開きが生じる理由は、2つのうちのどちらかである。市場が、数字にまだ表れていない問題を見抜いているのか。それとも、健全な事業の値段をただ付け直しただけなのか。問われているのは、オラクルが事業として悪くなりつつあるのか、それとも単に株価が安くなっただけなのか、ということだ。
オラクルの事業は本当に悪化しているのか
売上高と利益を見るかぎり、事業が悪化している様子はない。2026会計年度の売上高は17.4%増の674億ドル(約10兆3000億円)で、8.4%増だった2025会計年度のおよそ2倍の伸びである。報告ベースの営業利益は4分の1近く増えた。
2027会計年度の第1四半期は、伸びがさらに加速した。9月10日の取引終了後に発表された決算では、売上高が30%増の193億ドル(約2兆9400億円)。売上高も、1株当たり1.92ドルの調整後利益も、ともにアナリスト予想を上回った。オラクルは通期の利益見通しも引き上げている。
弱点は1つ、ソフトウェア事業だ。この四半期は減収となった。成長を牽引したのはクラウドインフラだ。オラクルは、ソフトウェアを売るだけの会社から、計算能力を貸し出す会社へと変わりつつある。
将来の需要の多くは、すでに契約として押さえられている。2026会計年度末の時点で、顧客と結んだ契約のうち、オラクルがまだ売上高として計上していない分は6380億ドル(約97兆1000億円)に達した。1年前の4倍を超え、1年分の売上高のほぼ10倍に当たる。2026会計年度の第4四半期だけで670億ドル(約10兆2000億円)のAIインフラ契約を獲得し、2027会計年度の第1四半期にもさらに300億ドル(約4兆5600億円)を積み上げた。共同CEOのクレイ・マグワイクによれば「この契約済みの売上高の大半は、顧客からの前払いによるものか、顧客自身が用意したハードウェアを使うものだ」という。
株主は何に対してお金を払うことになるのか
クラウドインフラの成長には、大きな請求書が付いてくる。顧客が費用の一部を前払いしてもなお、である。オラクルは6月の時点で、2027会計年度の設備投資に伴う正味の現金支出が700億ドル(約10兆7000億円)程度になるとの見通しを示しており、9月10日の決算発表でもこれを据え置いた。2026会計年度の営業利益の約3倍に当たる金額だ。データセンターの建設資金として、負債と株式で400億ドル(約6兆900億円)程度を調達する計画であり、このなかにはすでに公表済みの200億ドル(約3兆400億円)の株式売り出し枠も含まれる。



