そのツケは、すでに利益率に表れている。2026会計年度の売上総利益率は約5ポイント下がった。CFOは、新設のデータセンターが立ち上がり、事業構成が変わるのに伴って、2027会計年度もさらに低下するとの見方を示した。一方で、これらのデータセンターが本格的に売上高を生むようになれば、インフラ事業の利益率は急速に改善するとも見込んでいる。
経営陣の直近の見立てでは、6640億ドル(約101兆円)の受注残のうち、およそ半分が今後3年で売上高に変わる見通しだ。
しかも、この建設競争は多くの事業者がひしめくなかで進んでいる。6月の決算説明会では、AI向けデータセンター市場への参入が相次いでいることについて、アナリストから質問が出た。マグワイクは、需要は依然として供給をはるかに上回っていると答えた。株主は、その状態が続くほうに賭けていることになる。
株価はどれだけ安くなったのか
株価はかなり安くなった。決算発表前の9月10日の終値で、オラクルの時価総額は約4400億ドル(約66兆9000億円)。2026会計年度に稼いだ営業利益のおよそ20倍に当たる。1年前の高値の時点では、投資家は直近年度の営業利益1ドルに対して、その2倍を超える金額を払っていた。
アナリストがこの株を見限ったわけではない。「買い」と評価する比率は1年前より高い。ただし、直近の四半期に設定された目標株価は平均233ドルで、過去1年の平均である276ドルを下回る。
オラクル株の安さは妥当なのか
オラクルは今もイノベーションの先頭を走る企業の1つであり、フォーブスの「米国で最も革新的な大企業」ランキングでは最近9位に入った。売上高でも利益でも、成績はかなり良い。売上高の伸びは前年度より昨年度のほうが高く、直近の四半期ではさらに高まった。契約済みの受注残は、1年分の売上高をはるかに上回る。例外は利益率だが、CFOはその低下の主な理由をデータセンターの建設に求めている。
増えたのは、株を持つ側が負うリスクである。受注残の大半が売上高に変わるより前に、オラクルは数百億ドル(数兆円)規模の支出と資金調達を進めている。株主は忍耐を強いられる格好となっている。
データセンターが本格的に売上高を生み、CFOの見込みどおりにインフラ事業の利益率が改善するなら、いまの株価の安さは説明がつかなくなる。立ち上がりが遅れれば、オラクルは計画以上の資金調達を迫られるかもしれない。その場合は、株価の下落には理由があったということになる。


