米国のドナルド・トランプ政権は、2028年に発効するロシア産ウランの全面輸入禁止措置に向け、国内での濃縮ウラン生産を促進する取り組みを進めている。
米国のジョー・バイデン前大統領は2024年、「ロシア産ウラン輸入禁止法」に署名し、同法を成立させた。これにより、ロシアで生産された天然ウランと低濃縮ウランの輸入は、米エネルギー長官が同法の適用除外を認める場合を除き、米国では違法となる。原子力の燃料供給上、不可欠な場合など特定の状況下を除き、米企業には適用除外が認められる可能性があるが、この免除措置も2028年1月1日に終了する。
民生用原子力発電所は現在、米国の年間エネルギー供給量の20%を賄っている。米原子力規制委員会(NRC)は5月7日に開かれた会議で、国内の原子力発電所による輸入ウランへの依存を低減する必要性について議論した。その中で、ホー・K・ニー委員長は、「米国は外国産のウランや濃縮技術に過度に依存しており、この状況を変える必要がある」と指摘した。同委員会の核物質安全・保障措置局のアンドレア・コック局長もこれに同意し、次のように述べた。「委員長が言及したロシア産ウランの使用禁止措置は2028年に全面的に施行されることになる。濃縮ウランの国内生産能力を増強することが急務だ」
問題は、米国の原子力発電所が燃料のほぼ全てを輸入濃縮ウランに依存している点にある。この高い依存度は、米エネルギー情報局(EIA)の2023年の統計にも表れている。米国の原子力発電事業者は、濃縮ウランの99%をカナダ、オーストラリア、ロシア、カザフスタン、ウズベキスタンといった国から調達していた。
対策に乗り出す米政府機関
米エネルギー省とNRCはともに、国内の原子力発電の発展を促し、核燃料の供給網の強化に向けた投資を後押しすべく、多岐にわたる取り組みを進めている。
NRCは5月21日、輸入への依存を低減させることにつながる「大規模な新規ウラン濃縮施設」の建設許可申請について、審査中であることを明らかにした。同委員会は許認可手続きの近代化に向けた取り組みの一環として、技術審査を迅速化し、1年以内に完了させる方針を示した。ニー委員長は次のように説明した。「NRCは、ウラン濃縮を外国に頼っている現状からの脱却を図る米政府の努力を、安全を確保しながら後押ししている。信頼性が高く、予測可能で迅速な安全審査を行うことこそが、原子力分野で米国が担う主導的な役割をNRCが支える方法だ」



