北米

2026.09.12 14:00

9.11から25年、米国の「旅行の常識」はどう変わったか

米ニューヨークの玄関口の1つ、ニューアーク・リバティー国際空港に着陸するユナイテッド航空機と、9.11同時多発テロで崩壊した世界貿易センタービル跡地(グラウンド・ゼロ)に建てられたワン・ワールド・トレード・センターを含むマンハッタンの高層ビル群(Gary Hershorn/Getty Images)

空港到着前から保安審査がスタート

9.11後に導入されたTSAのセキュアフライトプログラムは、旅行者が空港の保安検査場に到着する前に、搭乗者情報を連邦政府の監視リストと照合する。米国内便、米国発着の国際便、米国上空を通過する便に適用されている。

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2001年当時との違いは大きい。9.11以前に導入されていた身元調査システム「CAPPS(乗客事前識別システム)」でも、潜在的にリスクの高い乗客の特定が試みられていたが、追加検査の重点対象は一般的に本人や機内持ち込み手荷物ではなく、預け入れ手荷物のほうだった。

たとえば、2001年当時のFAAのガイドラインでは刃渡り4インチ以上のナイフの機内持ち込みを禁止していたが、航空業界の保安検査ガイドでは、刃渡り4インチ未満のポケットナイフやカッターナイフの持ち込みは明確に許可されていた。

9.11委員会の報告書によれば、当時の空港保安システムは自爆ハイジャックよりも、破壊工作や爆発物への警戒を重視していたという。調査官らは、ハイジャックされた4機すべてでナイフが凶器として使われたことを突き止めたが、いずれも刃渡り4インチ未満の「持ち込み可能な」ナイフだった。

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また、ハイジャック犯19人のうち半数以上が追加検査の対象としてマークされていたにもかかわらず、実際には預け入れ手荷物を調べたのみで、機内持ち込み手荷物は見過ごされていたことも明らかになった。

現行のTSAガイドラインでは、プラスチック製や刃先の丸いバターナイフなどの限られた例外を除き、刃物の機内持ち込みは禁止されている。

単なる規制強化ではない、脅威ベースの空港セキュリティ

9.11以降の空港保安対策では、リスクが低いとみなされた旅行者に対し、迅速な保安検査(手荷物・身体検査)を受けられる導線も設けられた。

TSAプレチェック(TSA事前審査プログラム)」は2011年にパイロットプログラムとして始まり、2013年12月に正式に導入された。

米国市民や永住権保有者などが対象で、個人情報と生体情報をTSA認定登録機関に提出して事前申請し、保安上の脅威評価を受けることで、空港保安検査を迅速に通過する資格を得られる。

TSAから承認された旅行者は、保安検査場で専用レーンを利用でき、検査そのものも簡略化される。これは、ほぼ一律の保安検査を行う方式から、リスクに基づく保安体制への大局的な転換である。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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